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□月が半分満ちた夜。
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※ちょっと際どい表現があるやも・・・
いたしている訳ではありませんが(笑)
栄養補給=人の精を頂くことが苦手なキュラソー。
そんなキュラソーは、気分しだいで女子にも男子にも。
一つ、忠告をしておきましょうか。
キュラソー(男)には、ご注意を。
特に・・・今宵のような、月が半分満ちた状態の日には…
「キュラー。遊びに来ただわさ♪」
「い・・・いらっしゃい、ラミルちゃん」
散歩がてら、キュラソーの家に遊びに来たラミル。
それを迎えたのはキュラソー(女)。
「ん?出かける予定だったんだわさ?」
翼を出していた彼女に、ラミルは問いかける。
その言葉に、照れたように下を向いて、彼女は小さく『うん』と答えた。
「ま・・・魔力が少なくなってきちゃったから・・・アノ・・・お食事を・・・」
ボソボソと聞き取りにくい声で彼女は続ける。
「そっか。邪魔して悪かっただわさ。それじゃぁウチは帰るだわね」
「まって!」
外していた帽子をかぶりなおして、ラミルは家を出ようとする。
しかし、キュラソー(女)に呼び止められ、振り返った瞬間。
パサッ・・・
乾いた音を立て、再び帽子がラミルの手から落ちる。
そして、反転する視界。
「・・・キュラソー?」
腕を捕まれ、ラミルは視線を上げる。
そこには、妖しく笑うキュラソー(男)がいた。
「何やってるんだわさ?」
「はっきり言わせて貰うと、もう限界なんでね。手っ取り早くキミから精を頂こうかな・・・と」
ラミルの腕を頭の上で一括りにすると、あいた手でマントを脱がしにかかる。
外に出るときは基本厚着なラミルは、特に慌てるでもなく思う。
(あぁ・・・そういえば今日は半月だわさね)
月が半分だけ満ちる夜は、キュラソーが不安定なのをすっかり忘れていたのだ。
精を貰うのが点でだめなキュラソー(女)と、別に平気だがキュラソー(女)を悲しませない為に手を出さないキュラソー(男)
半月の夜は、キュラソー(男)の精神が不安定になり、だれかれ構わず手を出す。
ぼんやりとそんなことを思い出していたラミルだったが、しかしいくら生きるためとはいえ精をあげるつもりは毛頭なく。
シャランッ☆
自分の位置と枕の位置を入れ替える。
「?!」
一瞬、その出来事に驚いたキュラソー(男)の隙を突き、マントと帽子、箒を拾い上げてラミルは家の外へと今度こそ逃げ出した。
「それじゃぁキュラソー。また遊びに来るだわさ☆」
「チッ」
小さく舌打ちするキュラソー(男)を後に、ラミルは家へと帰っていった。
帰りながらラミルは呟く。
「キュラソーには可愛そうだけど、キュラソー鬼畜入ってるし・・・捕まった人はご愁傷様だわね」
・・・と。
ちなみに、かえって来たラミルの服が乱れているのを見て取り乱したラークにうっかり本当のことを言ってしまい、次の日、ラークが珍しく早い時間からキュラソー(男)を追い掛け回す姿があったとか。
End.
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