09/29の日記

16:56
少女マンガのような(略)の続き(オリジ?)
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オレには、生まれたときから決められた許婚がいる。
名前は『ミヤコ』
字は、『実りの夜の子』と書く。

オレは専らミヤと呼んでいるが。

穏やかな性格をしているミヤは、人見知りが激しいせいであまり人前に出ない。
必要な席では頑張っているようだが、話しかけられると固まってしまう癖は昔から変わっていない。

目がタレ目気味な事もあって、穏やかな微笑みは困っている様にも見えてしまう。

髪質はふわふわのくせ毛で、手入れが大変だからと肩くらいのショートヘアにしている。
前に一度、伸ばしたら可愛いんじゃないかと思って髪留めをプレゼントしたら大層喜んでくれて、その髪留めを使う為だけに髪を一房伸ばしてくれている事を知った時は嬉しかった。

左側の髪を一房伸ばして髪留めを使ってくれた時はあまりの可愛らしさに声も出なかった。

「せっかくぎんがくれたから…使ってみようと思ったんですけど…」

なんて、頬を染めるからなおさらだ。
オレが褒めるよりも先に、ミヤの双子の妹のユイがベタ褒めしてたけど。
くそ、あのシスコンめ。

あまり運動が得意ではない(と言っても『ユイと比べれば』だけど)ミヤの代わりに、小さい頃のオレとよく遊んでいたのはユイだった。
ミヤはいつもそんなオレ達を後ろから見ていて、楽しそうに笑っていたっけ。

そのせいなのか何なのか、ミヤはとんでもない勘違いをしている。

オレが、ユイを好きだと信じ込んでいるのだ。

オレがその事に気付いたのは、15の誕生日。

なんだかやけに真剣な顔の父上と、ミヤ達の父君が、婚約を破棄しても良いとか言いだしたのだ。
オレの意思に任せるって言ってくれたから、迷いなく破棄なんてしないと言い放ったけど。

その言葉に父上達は喜んだ様な顔をして「それならすぐに祝言を」なんて言い出した。
オレはそれでも構わなかったけど、ミヤがそれに待ったを掛けた。

「ぎんの望む時まで、祝言は待ってください」

そして、オレに向かってミヤは笑った。

「ぎんは、いつでもわたしとの婚約を破棄しても構わないんですよ?」

あ、でも25歳になったら後継ぎの事もあるので諦めて結婚してくださいね?

そう言って、それが正しい事のようにミヤは笑ったのだ。
その時初めて、オレはミヤが、オレの気持ちがミヤへ向いていないと思いこんでいる事に気付いた。

25歳までに好きな人が出来たら婚約破棄していいんですよ。
好きでもないわたしと許婚なんて嫌でしょう?

そんな碌でもない事を考えているであろうミヤの考えが筒抜けてくる。

多分、ユイがそろそろ結納する予定だと云うのも関係しているんだろう。
自分にコンプレックスしかないミヤは、自分に声を掛けてくる男の人は全員ユイ目当てだと思っている。

勿論、ユイも可愛いと思う。
サラサラストレートな髪の毛を清楚にまとめている姿は好感を持てるし、所作も綺麗だし、一見すれば良家のお嬢様だ。
中身はとんだじゃじゃ馬だけど。

だけど、ミヤも可愛い。
ふわふわの髪の毛をミヤは嫌うけど、女の子らしいんじゃないかとオレは思うし、所作は勿論綺麗だ。
穏やかな微笑みは慈愛に満ちているし、人見知りで他の人間と上手く喋れないと云うのもオレ的には好都合。

恋は盲目、あばたもえくぼ、何て言うけど、オレにはミヤがとてもかわいく見えるから仕方ない。
え?うん、そう。ただの惚気。


ユイの結納は半月後に決まった。
オレも17になった。

ユイの結納が終わって、オレに婚約破棄を何時言い渡されるのかと(悲しい事に、ミヤの頭の中には婚約破棄を言い渡されない、という選択肢はないらしい)びくびくしているミヤを見るのは楽しいけど、でもやっぱりミヤには笑ってほしいから。

オレが18になったら、ミヤに結婚を申し込もうと思う。

◆ ◇ ◆


「だから、ミヤの頭とか気安く撫でてんじゃねーよ!!」
「うっせえな、ソレを実夜子に直接言えよ。俺を巻き込むな」
「くっそ、ミヤより背が高いからって調子にのんなよ銀時」
「乗ってねーよ!大体実夜子より背が高い人間なんてごまんといるからね?!銀さんだけじゃねえから!あいつ身長どんだけだと思ってるんだよ!神楽よりちっせえんだぞ?!」
「うるせー天パ。天パが似合うのはミヤだけで十分だ」
「うっぜええええええ!!惚気てんじゃねえよこの無自覚バカップル!!テメェは今すぐ実夜子にプロポーズしてきやがれ!!」

End.




そんなわけで『ぎん』編でした。満足!(笑)
『時さん』は銀魂の銀時さんでした(笑)
うっかり銀さんかっこいいよ戦闘シーンマジ滾るんですけどぉぉぉおお!!ってなった結果に生まれたオリキャラでした。(笑)
最後までオリジで通そうと思ったんですが銀さんポジのオリキャラが名前浮かばなかったのでそのままで(え)

何で実夜子が「時さん」呼びなのかと云うと、許婚を「ぎん」と呼んでいるからです。
皆みたいに「銀さん」とか「銀ちゃん」だと被っちゃうから。
美しい夜の子にしようと思ったんですけど美人設定ではないから実りの夜の子になりました。(そんな)


ちなみに実夜子さんの簡単なプロフィールは以下の通り。

十六夜 実夜子
24歳(ただし外見年齢は16歳)
身長は150センチ。
ややタレ目気味。
クセ毛でネコ毛。少し伸ばした髪を左側で結わえている。

すっごい駄絵ですが、こんな感じ。

いや、この絵では半分も伝わらない様な気もしますが(苦笑)

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