12/28の日記
22:55
無題(首無・狩臨←静?)
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「狩沢、あの…さ、」
もじもじと照れたように視線を彷徨わせながら、目の前に座るイザイザは私に乞うた。
「今度の土曜日、もし暇だったら…俺に、付き合ってくれない…かな?」
これはつまり、デートのお誘い。そう云う事でいいのかな?イザイザ。
そう笑んで見れば、イザイザは言葉を詰まらせて赤面する。
「デ…っデート、とかじゃないんだけど…その、会ってほしい人がいるんだ…」
え、何ソレ。ご両親とご対面?!息子さんを私に下さい的な?
わくわくうきうきしながら二つ返事で承諾する私に、イザイザは安心したように頬を緩ませた。
…うん。ホントに私の嫁は天使すぎて困る。
◆ ◇ ◆
「はじめまして、狩沢絵理華です」
「は、はじめまして…平和島静雄…っす」
そうしてやってきた土曜日。
目の前にいるのは、イザイザの両親では無かった。
と云うか、良く考えたら私、イザイザの家族とは全員面識あるんだよね。
クルマイちゃんとも偶に遊ぶし、偶々町でイザイザ見つけて飛び着いたらご両親が傍にいてそのままご挨拶もすましたし。
まさかご両親が傍にいるとは思わなかったからヒヤリとしたけどね。
背が高くて、金色の髪に色付き眼鏡。
穏やかな声と大人しそうな佇まいは、確かに『静雄』と云う名前が似合う様な気がする。
私の隣に立つイザイザは、何処か得意気な顔をして、彼を見ていた。
「ほらシズちゃん約束通り連れて来たよ。『俺の事を好いてくれる奇特な人』!」
「……お前の勘違いって可能性はねえのかよ」
「…だったら、付き合ってる訳ないだろ?」
唸る様な声をあげて訝しむ静雄さんに、不貞腐れた様にイザイザが告げる。
ちょっと膨れたほっぺたが可愛い。
…って云うか。
「どう云う事?」
「あ、うん。俺とシズちゃんは喧嘩友達…友達…?まあいいや、ともかく、そんな関係なんだけど、この間喧嘩の最中に『お前の事を好いてくれる奴なんていねえよ』みたいなこと言われてね。『そりゃ俺だって人に好かれる性格はしてないって自覚はしてるけど、こんな俺だって好きだって言ってくれる娘(こ)は居るんだからね!』って言い返したら『じゃあ証明してみせろよ』って流れになっちゃって。…ごめんね?変な事にまきこんじゃって」
そう言って眉根を下げるイザイザに、私は『気にしなくていいよ』と笑って見せた。
そして、着物の袂に手を入れながら、もう一度、静雄さんに向き直る。
「改めまして、イザイザの恋人の狩沢絵理華です。職業は鍛冶屋で、趣味は…イザイザを悪く言う人やイザイザに付く悪い虫を叩きつぶす事です☆」
袂から取り出した木槌を振り上げながら、満面の笑みでもう一言。
「ちなみにイザイザは私の嫁なので。手ぇ出したら本気でぶっ潰すから」
絶対、この人イザイザの事好きだと思うんだよねえ。
突発過ぎて私にも意味が分からない(え)
多分退パラでシズ君と狩沢さんの初対面。
お風呂入ろうとしたら「初めまして狩沢絵理華です。趣味はイザイザに付く悪い虫を片っ端から潰す事です☆」って狩沢さんの声が降ってきたので使ってみた。
けど、何でこうなったのかが全く分からない。(笑)
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