01/05の日記

23:50
無題(首無・臨+波 パラレル)
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俺の名前は折原 臨也。
職業は俳優をさせて貰っている。

「臨也、仕事よ」

マネージャーの波江さんがそう告げながら投げて寄こした一冊の冊子。
それが、始まりだった。

「デュラララ…?」
「えぇ、池袋の都市伝説。【首無しライダー】から発想を得て作られた連続ドラマだそうよ」
「へぇ」

パラパラと台本をめくりながら波江さんの言葉に相槌を打っていた俺は、続いて告げられた言葉に耳を疑った。

「貴方は【折原 臨也】役よ」
「…はい?」

言われてみれば確かに、台本には俺の名前が書いてある。
良く見れば、見知った名前もちらほらとあるようだった。

「…あれ、波江さんの名前もある」
「貴方があちこちで私の名前を出してくれるから、巻き込まれ事故よ」
「あー…あははははは」

溜息を吐く波江さんに、乾いた笑みを零して遠くを見る。
最近バラエティにも出させてもらえるようになった俺は、話題に困るとこの優秀なマネージャーの名前を出していたから、多分それが原因なのだろう。

「まあ、そのおかげで誠二にも端役とはいえオファーが来たみたいだから、この件については目を瞑ってあげるわ」
「あ、弟君も出るんだ?」
「ええ、私の弟役で、ね」
「本当にとことんリアリティを追及してるんだねえ」

感心したように呟きながら、台本に目を通す。
勿論【役】だから、性格は全然違ったりする所もあるんだけど、大まかな所は似ているみたいだ。

だからこそ、ドラマの【役】にリアリティが出るのだろう。
それこそ、【役】なのか【素】なのか分からなくなる位に。

「俺、物凄く嫌な奴なんだね」
「みたいね。私はそんなあなたの所で働くはめになった秘書役らしいわ」

一通り台本に目を通し終えて、俺は笑った。

「なんにせよ、君と働けるなんて嬉しいよ、波江さん」
「あら、そう」

俺の言葉に、彼女は不服そうではあったけれど。




2011.7.25の日記より設定を引っ張って来て(笑)芸能界パラレル。
日記と内容はほぼ変わらないと云う詐欺(笑)

話しのテンポ的には日記の方が気にいっていますが(え)波江さんとの掛け合いは書いていて楽しい。

実は【世界】と云うタイトルのお題話になる予定だったんですが、なんか違うと思って没になったものだったりします(笑)
もったいないので再利用(笑)

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