04/09の日記

23:26
正体不明の違和感の正体(首無/狩臨)
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「イザイザ、どうしたの?」

開口一番、狩沢にそう尋ねられるほど、俺の顔色は悪いのだろうか。
…いや、多分顔色、と云うよりは今の俺の体制が問題なのかもしれない。

腰を庇う様に掌を当て、やや前傾姿勢を取っている俺は、いま心底杖が欲しいと思っている。

「腰でもいたいの?」
「いや、痛くは無いんだけど…腰が…って云うか腰から下がだるくて…」

ピリピリとしたような、何とも形容しがたい違和感と、気を抜いたら力が抜けてしまうんじゃないかと思う程力の入らない下半身。杖が手に入らないなら今すぐ横になりたいと苦く笑った俺に、狩沢の目が輝いた。…え。何処でそんな要素あったっけ?

「イザイザ…昨晩はお楽しみ?」

くふふぅ、と含みのあるニヤリとした笑みを浮かべながら尋ねてくる狩沢に首を傾げる。
いや、うん。一応言っておくと狩沢の言いたい事が分からない訳じゃない。流石の俺もそこまで純情ぶるつもりはないけど、そうじゃなくて。

「お楽しみも何も、昨日は一日狩沢達と一緒だっただろ?」

そう、昨日はドタチンに誘って貰ってワゴン組の鍋パーティにお邪魔していたのだ。
お楽しみも何もあったもんじゃない。…と、言うか。相手が狩沢じゃ無かったら浮気じゃないか。

「まあねぇ。それは冗談にしても、本当にどうしたの?」
「それが良く解らないんだよね…昨日はシズちゃんと追いかけっこもしてないし…本当に夕方狩沢と待ち合わせして、ドタチンの家へ行っただけなんだけど…」

話している内にも、腰のだるさは酷くなる。
立っているのが辛くなって来て、ガードレールに寄りかかる。それでも、腰のだるさは落ち着かない。

「取敢えず、それだけ辛いなら横になった方がいいんじゃない?此処からだと…んー…そうだなぁ、私の家の方が近いよね。寄って行きなよイザイザ」

少し考える様にして、そう言いだしてくれた狩沢の言葉は嬉しい、けど。

「……ありがたい申し出だけど、遠慮するよ」
「…襲わないよ?……多分。
「別にそこは心配してないけど…ってかなんか今小声で付け加えなかった?」
「ん?気のせいじゃないかな?」
「うわー…良い笑顔だね…」

凄く良い笑顔の狩沢は、多分嘘を吐いている。…まぁ、何言ったかどうか、なんて別にどうでもいいんだけどね。

「此処からだと新羅の家の方が近いし。…まあ、多少嫌な顔はされるだろうけど、そっちに行くよ」
「そっか。新羅さんならついでに診察もして貰えるもんねー」

それなら安心ね、と先程とは違う自然な笑みを浮かべた狩沢は、「それじゃぁ行こうか」と俺の腕をとった。…って、え。

「一緒に行くのかい?」
「勿論!だって今日はイザイザとデートの日だよ?無理はしてほしくないけど、一緒にはいたいもんねー」

さらりと告げられた言葉に、思わず頬が熱くなる。
掴まれた腕に、力が籠った。

「赤面イザイザかーわいぃ♪」

むふふぅ、と笑う狩沢は、多分俺の腰を庇ってくれてるんだと思う。
振り回されて大変だと笑う人は多いけど、礼儀知らずで無遠慮な訳じゃない。

恋人らしく腕を組みながら(と云うか、引っ張られている、って云う方が正しいけど)新羅の家に向かう。

「どうしたんだい?臨也」

狩沢と同じ開口一番。俺は苦く笑って説明する。

暫く思案顔をしていた新羅は、徐に白衣のポケットから体温計を取り出した。
大人しく受け取りながら、脇に差す。

数分後に響く電子音。

体温計を俺から受け取りながら、奴は極めて冷静に言い放った。

「37.5℃…発熱から来る関節痛だね。解熱剤処方してあげるから入りなよ。狩沢さんもね」

End.

実体験をそのまま臨也君に体験してもらった。
仕事中腰だるいなあ…何だろうこの医療ドラマとかで大量出血のシーン見たときみたいな足の力の入らなさ具合…と考えながら仕事を終えて帰ってきたら熱がありました(笑)

節々が痛む熱なんて久しく出してなかったので驚きましたよ(苦笑)
薬飲んで早めに寝たら一日でなおりましたけどね!(笑)

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