sh'novel


□Present
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きっと僕は其の夜を眠れずに過ごすだろう。
…いや、間違い無く眠れない。
眠れる訳が無い。
思えば僕は、其れで安心して眠る事が出来ていたのだ。
別れた後の、君からのメール。
君が無事に帰宅した証。
其れを確認して。
其の日三度目のフレーズにベッドの中、一人笑って。
だから…僕は安心して眠れた。
そして…幸せな夢を見られた。
其の日君と過ごした時間。
其の充実感と満足感、君が与えてくれた幸福感に満たされて…僕は安らかな気持ちで眠る事が出来ていた。
だからあのメールは…僕にとっては無くては成らない必要不可欠なものであり、そしてあの言葉は…君と過ごす事がどれ程自分に幸せを齎しているかを改めて認識させる、必要不可欠なものなのだ。
どうして君が、再三に渡ってあの言葉を繰り返したのか。
其の訳を訊く事が無い儘、僕達の別れは訪れてしまった。
そう、其れは予期せぬ内に。
其れは、ある日、突然に…。
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