NL'novel


□N-L
2ページ/3ページ

俺はカラカラと笑って言った。
女を待つ訳じゃあるまいしさ、
外で何もしないで待つなんて、
そんなん出来るかってんだよ。
だって、やっぱし気色悪くね?
や、座る席の事にしてもだな、
ホントは多分そんなコトない。
でも、事実そんなコトなくても
周囲の目っつーもんが有んし。
ハタチに近い見た感じ大の男。
カフェの前で誰か待っている。
…って、誰かなんて彼女だろ!
そんなん彼女しかいないだろ!
男なんて現れてみろ。ヒくよ?
周囲の人々がドンビキすんよ?
そもそも恋人を待つにしても、
男が先に来て待つってどーよ。

ーまった?
ーいまきたとこ!

コレだろ?コレがイイんだろ?
イイっつーか、セオリーだろ?
セオリーっつーか、常識だろ?
つーか、やっぱしイイんだよ!
まず、待ち合わって響きがさ、
なんとなく甘酸っぱいじゃん。
だって、会う為のプロミスだ。
プロミス=約束…会う為の…。
甘い!酸っぱい!甘酸っぱい!
甘酸っぱ過ぎんぜ、其の約束!
ソレを何を好んで男なんかと。
や、大切なマブダチだけどさ。
其の前に自意識過剰だろ、俺。
きっと、周囲の目は俺に無い。
俺が気にしてる程、見てない。
結論:フツーに外で待っとけ。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ