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御話参
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――夢を……見た
――目の前に翳した掌さえ見えない暗闇の中で、男の子の笑い声がするの……
――どうしてか、私はその無邪気な笑い声に胸がとっても安らいでいて……
――何も見えないこの空間に終わりが見えなくても、ちっとも恐くなんてなかった
――でも……
「 」
――私はその子の名前をハッキリと呼んでいるはずなのに……
――そこだけ何故か、削り取られたように意識の中では空白になってしまう……
――「 」……
――ねぇ、「 」……
――あなたは……誰なの……?
御話参
人間と狐