07/07の日記
18:40
箒無しで空を飛びたい話
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本編で使う機会は一生ないので
お相手トム
夢主名固定
空を飛ぶ。それは人類の永遠の夢だ。
人はそれを叶える為に飛行機を発明した。皆大好きファンタジーものでも、人は箒や絨毯に乗って空を飛ぶ。背中に羽が生えてたり魔力だけで飛ぶ人もいるけど、詳しい仕組みは分からない。だって所詮はファンタジー。フィクションだもの。
「って、思ってた時期が……あたしにも、あったわけ、なの、よ……っ!?」
「はいはい。よく分からない話は結構なので、いい加減諦めてもらえませんか」
興味無さげに眺めていた本を放りこちらへと歩いてきたトムに、まだ諦めないと舌を出し、倒れた体を起き上がらせる。
ずっとフィクションだと思ってた魔法界はフィクションじゃなかった。人は箒や……時々車やバイクに乗って空を飛ぶ。勿論あたしも。飛ぶ時に必要なのは、相手への理解。後は単に自分の技術。これさえあれば、あのネビルだってふらつきはするけど一応飛べる。そう──箒を使えば、ね。
「あたしだって、箒なしで優雅に可憐に飛びたいの」
今トムに習ってるのは、先日セブさんがこっそり会得していた箒無しで空を飛ぶ術
そんな凄い術、あたしだって会得したい。でもって、それを教えてもらってないベラトリックスに自慢しまくりたい。
「はぁ……この説明も何回目かになりますが、高度な呪文を使用するうえで大事なのは、その呪文への理解です。レイナさん、殆どの魔法を直感で使ってますよね?しかもあなた、攻撃魔法以外は壊滅的なんですよ。無理です諦めなさい」
「ぐぅ……これでも頭良いのに……学年末テストは毎年上位なのに……」
「…………では」
ブツブツと文句を垂れ流していたら、心底面倒臭そうな顔したトムは、何かが吹っ切れたようにニッコリ笑った(あ、これはやばい)
「待ってトム、何を……?」
「理解が充分なのに使えないと言うなら、単純に気持ちの問題です。どうもあなたは、こんな生温い空間では飛ぶことに集中できないようですね」
「えっ、いやそんなことわぁぁぁ!?」
喋ってる途中で、嵐の中に放り出された。いや夢の中なんだから空間を変えられただけなんだけど、そんな事はどーでもいいの!あたし今!ハリケーンの中にいるんだけどぉぉぉ!?
「さぁさぁ、自力で飛ばないと、死にはしませんが吐くこと間違いなしですよー」
「うわぁぁんトムの鬼ー!!!」
「惜しい、僕は闇の帝王です」
あの答えがボケなのか本気なのか。
どちらにせよ酷いことに違いはないので後で絶対お仕置きすると心に誓い、握り締めた杖を頭上に掲げた。
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