メイン(雅季長編)
□Twilight Highlight 三年後ストーリー@
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今日は大学の授業が終わったらご飯を食べに行く約束があった私は、授業が終わる前からかなりテンションが高かった。
授業が終わると同時にかばんをもって急ぎ気味に席を立つ。
もう待っているだろう相手の顔を浮かべる
走り出してしまいそうだ
待っていた相手は、
義理の兄であり、
付き合って三年になる私の彼氏―――
「マサキ君!」
彼は大学のベンチに座り文庫本を読んでいた。
私が名前を呼ぶと、ゆっくりと振り返り、文庫本を閉じて微笑む。
「ごめんね、待たせちゃって」
「大丈夫だよ。何食べたい?」
結局焦って走ってきた私に、マサキ君は優しく言った。
「うーん、和食かな?あ、でも結構食べたいかも…」
マサキ君は少し考えて、「天麩羅行く?」と言った。
マサキ君は私と同じ大学に通う、西園寺家五人兄弟の三男。
私と同じハタチ。
少し瞳にかかる、緩いパーマをかけた柔らかそうな茶色い髪
フチの黒い伊達眼鏡
そこから覗く、鋭くて意志の強そうな瞳は、落ちていく日に照らされ少し眩しそうに細められている