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□Cold−ver9
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「猿が風邪?」

「ええ、そうなんです。熱と鼻水が凄くて…」

「この寒い時でも腹出して寝てたんじゃね?」

「それは分かりませんが…延泊しても構いませんよね」

「風邪じゃ仕方ねェだろ」



今朝出発する予定だったので八戒が起こしに行くと、いつもなら目覚めの良い悟空が布団を被り丸まっていた。

訝しんだ八戒は悟空の頬を触ると、明らかに発熱している。

「大丈夫ですか、悟空」

「はっかい〜目が廻る」

いつもより赤い顔で鼻を啜りながら八戒を見上げて、悟空は不安そうに呟いた。

「恐らく風邪でしょうから大人しく寝てて下さいね。今、薬を持って来ますから…ご飯は食べられますか?」

「腹は減ってる」

「食欲があれば大丈夫ですよ。少し待ってて下さいね」

八戒は部屋を出て、三蔵の所へと向かった。



「そんな訳で悟浄と薬を買って来ますから、三蔵は悟空の看病をお願いします」

「何で俺が…」

嫌そうに答える三蔵に、仲間内しか分からない威圧的な笑みで八戒は選択肢を増やす。

「では代わりに三蔵が買行きますか?解熱の座薬」

「…………看病でいい」

諦めた三蔵は被害の少なそうな留守番を取り、二人を追い払った。

「三ちゃん、イイコでお留守番しててね〜」

「うるせぇ!」


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