□bad habit-pregnancy
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「たまには優雅にお茶するのもイイですねえ」

「……何処が優雅なんだ」

「煩えのは猿だけだろうが」

「――あとね!チョコパフェとパンケーキと…あんみつ!」

「この節操ナシがっ!」

スパーンッ!と紙の音が店内に響き渡った。



◇◇◇◇◇



「悟空、食べるのは結構ですが…パフェとあんみつは合わないんじゃないですか?」

「腹に入っちゃえば同じだって!」

「……まあ、そうですが」

「あんみつは半分俺も食う」

「うわっ出たよ、あんこ大魔神が」

「煩え、クソ河童!」

「はいはい、その辺で」

いつも通りの応酬をしていると、やがて注文していた品がテーブルに並んだ。

食事の時より品数は少ないが……。

「どう見てもお茶の内容じゃねえだろ」

「だって甘いモン食うと、しょっぱいモンも欲しくなるだろ?」

「だったらサイドメニューでいいじゃねえか…何でパスタやオムライスがあるんだよ」

「パスタなんておやつだろ」

「……そんなのお前だけだ」

「いいからさっさと食え」

カチリ、と何処からか安全装置の音が聞こえ、悟空と悟浄は口を噤んだ。

三蔵はフンと鼻を鳴らし、手付かずのあんみつを食べ始める。

「あ、三蔵。俺の分も残しといてな」

「分かってる」

「お前ら…親子で半分こするんじゃねえよ」

「うっせーな。河童にはやらねーから安心しろよ」

「要らねえよっ!」

「…あ、このケーキ美味しいですねえ」

会話になっているのか不明な遣り取りを続けながら、テーブルの上を片付けていく。

―――粗方は悟空の腹の中だが。

「あー食った食った」

「猿はそんだけ食えば満足だろ」

「猿じゃねーしッ!」

「はいはい、静かにしないとまた三蔵がキレますよ……あ、三蔵。カードを…」

貸して下さい、と続く筈の八戒の台詞が、不自然に止まった。

何事かと悟空と悟浄が見た先には、一回り小さくなった三蔵が怪訝な顔をしていた。


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