リクエスト

□Marking−続編
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「……んっ…」

「気が付きましたか」

ぼんやりと目が覚めると、穏やかな緑の瞳が覗き込んでいた。

「気分は如何ですか?」

「……最悪、だ…」

「サイコーだった、の間違いじゃねえ?」

ククッと隣のベッドに腰掛けた悟浄が笑う。

「アンタの身体もサイコーだったぜ。調教した甲斐があるな」

「……調教……?」

「気持ちイイ事を教えて差し上げただけですよ。貴方も好きでしょう?」

「……好き?」

「お好きではないんですか?例えば……」

ゆっくり三蔵の身体を起こし、八戒は口唇を塞ぐ。

深く舌を絡ませると、三蔵から小さな甘い声が漏れた。

ちゅっと音を立てて口唇を離すと、まだ物足りないと言わんばかりに薄く開いた隙間からチラリと紅い舌が追い掛ける。

「キス、気持ちイイですか?」

「……………」

「もっと欲しい?」

「……………ぁっ」

「言わなきゃ分かんねえだろ、三蔵?」

答えようとしない三蔵に焦れた悟浄が細い腰を撫でると、名残で敏感になっている身体がビクッと揺れる。

「キスは好き?」

「……ん」

「欲しいですか?」

「………ん、ほし……ふ、ぁ」

再び激しいキスをすると、三蔵は力が抜けて上半身が八戒にもたれ掛かる。

「可愛いですね、三蔵」

「んんっ、や…ぁっ」

首筋を強く吸われ、ゾクゾクとした快楽が背筋を襲う。

単を羽織った白い腕が緩く八戒の首に回り、更に求めようと無意識に紅い舌を覗かせた。

「随分可愛いおねだりだな」

「やはり学習能力が違いますね」

「つーか、俺の番は?」

「貴方は煙草とキスしてるじゃないですか」

「はっか…」

焦れた三蔵は、自ら口唇を押し付ける。

「すみません、ほったらかしにしちゃって」

普段とは掛け離れた可愛さの余り、八戒はギュッと熱を帯び始めた細い身体を抱き締めた。

「あ、ずりぃ」

「もう少しだけですよ。まだ夜明けまでありますし」

続きは次の街ですね、と優しく背を撫でる八戒とそれを見ていた悟浄は気付かなかった。

金糸に隠れた紫暗が妖しく煌めいたのを―――


End
2012.5.2

ナオ様リクエスト。
《Marking続編/裏有り》

まず最初に……長らくお待たせして申し訳ありませんっ!何ヶ月待たせるんだ!という話ですよね……土下座しても足りないので三蔵サマに撃たれて来ます…。
まぁそれはともかく(笑)個人的には微妙に思われていたこのお話を気に入って下さったのは大変嬉しいのですが、続きとなると全く出て来なくて結局ただヤッてるだけなような…;一応最後もエンドレスっぽくしたので、その後はさんちゃんの反撃かもしれません(笑)
ナオ様、お待たせした挙句にこんな仕上がりですみません;リクエストありがとうございました!



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