イチゴキャンディ

□θ 紅茶の時間
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応接室に続く長い廊下を、溜め息を吐きながらモタモタと重い足取りで歩く少年。


「はぁ…ι」


何度目かわからない溜め息は気持ちを更に沈めて、それがまた足取りを重くさせる。



『沢田、放課後応接室来て欲しいそうだ。』


担任による死の宣告の様な言葉に、気の弱い自分が反抗出来る訳もなく。
死刑囚の気持ちがなんとなくわかった気がした。


そんな事を考えて歩いてたら、いつの間にやら応接室の前に居て。

「…やだなぁ…」
「何が?」
「うひゃぁぁぁっ!!」

一人きりだと思っていたため、後ろから掛けられた声に驚いて間抜けな声がでた。
慌てて振り返ると其処に居たのは応接室の主で、自分を呼び出した本人。

「ひ、ヒバリさん…ι」
「なに間抜けな声だしてるの?」

入れば?なんて言いながら応接室に入っていく雲雀にツナはビクビクしながらついていく。

「其処に座って。」

やたら座り心地の良いソファに縮こまる様に座って居ると、直ぐ目の前に美味しそうな紅茶とケーキを出された。

「あ、ありがとう、ございます…」
「で?何が嫌なの?」

さも当然と言った風にツナの横に座って紅茶に口をつける。

「…いや、あの…何でもなぃです……」

まさか『貴方に呼ばれた事がイヤです』なんて口が裂けても言えない。
言ったら最後、自分は彼のトンファーの餌食になってしまえる自信があった。

「…。」
「………ι」



 
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