triangle(続く夢)

□episode2
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「お世話になっております。tetsuyaの妻で河南と申します」

元野球選手の新庄を思わせる濃い顔に
白い歯を輝かせているその人を相手に
笑顔を振りまき握手をする。

結婚するまで勤めていた接客業で学んだ術をフル活用。

握手をしたまではいいけど
誰だろう…

h『ご無沙汰してます』

困っているとすぐ、
hydeさんが来て
助け船を出してくれた。

さり気なくその方の名前を声に出して教えてくれる。

その後も何回も笑顔を振りまいて
何回も握手をして
hydeさんやユキに助けられた。

肝心のてっちゃんは
向こう側に埋もれてしまっている。

勧められたお酒の量も半端なく
飲ませ上手な方ばかり。

hydeさんやユキが来る度に
水に交換してくれたけど
もう酔いが回ってしまった。

外の空気が吸いたくてテラスに出る。

冬空が澄んでいるけど
綺麗な星は見えない。

「はぁ…」

慣れないことばかりで
ため息がでる。

テラスから会場を見渡せば
三人とも誰かと話をしている。

寒いくらいの気温が心地よくて
しばらく吸い込まれそうな夜景を見ながら佇んでいた。
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