小説
□カルマの坂
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――――ある時代 ある場所、
乱れた世の片隅――――
今日も部活が終わり、グラウンドに疲れきった部員の挨拶の声が響く。
バラバラと各自片付けをするもの、部室に向かうもの、自主練に励むものとその行き先は異なっている。
クールダウンを終えたオレは辰と共に部室に戻り、制服に着替えたが、何故かいつも以上に手足が重い。
しばらく練習試合が続いて疲れがたまっているのかと思ってさほど気にしなかったが、襲ってくる眠気には閉口せざるを得なかった。
ほとんど無意識に手足を動かして、制服に着替えたものの、そこでオレの記憶は綺麗さっぱり途切れた。
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