長い小説

□うたかた〜歌のはじまる前〜
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―夏の日に蜉蝣を見て

何故か愛しく感じた

羽音の調べは優しい子守歌に…





夕方まで続く日曜日の部活は既に後半に差し掛かっていた。
昼間はまるでその身をじりじりと焼こうと言わんばかりに輝いていた太陽も少し傾き、暑さも落ち着きを取り戻している。

それでも暑いことには変わりはなく、ボールを夢中で追い続けていれば気付けば皆汗だくだった。



「ふぃ〜、あっついな〜」


ようやく待ちに待った休憩の合図が出され、早々に天国はドリンクのボトルに手を伸ばした。


スポーツドリンクの商品名が印刷された手に余るほど大きなボトルはマネージャーの心配りで中身共々よく冷えている。

ストローでドリンクを勢い良く吸い込めば、不足していた水分が身体中に一気に満たされるような感覚が心地良い。
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