しょうせつ
□flower
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長安との戦いが終わってから2年後―
6月のある日、レニは教会の一室に居た
窓から外を見れば、馴染みのある者達が集まっているのが見える。
その中に、かつては共に戦い、共に舞台に立ち、
ため息をつき、視線を部屋の中へ戻すと…
「…!」
目の前に黄色いドレスの少女が立っていた。
背中辺りまで伸びた金髪、青い瞳のその少女はニコニコしながら、レニの方を向いている。
「えへへ♪びっくりした?」
「アイリス…!」
そう、この少女がアイリスなのである。
「わぁ、レニ、すっごく綺麗だね〜!あ〜あ、アイリスも着たいなぁ。」
うっとりとした表情でアイリスが言う。
そして、改めてレニのドレスをまじまじと見た。
「でも、アイリスだったら、もうちょっと可愛いのがいいな。フリルとか付いてるの♪」
確かにレニのはとてもシンプルでフリルやレースなどはほとんど付いていない。しかし、その方がレニにはしっくりきた。
「今日、すっごくいい天気になって良かったよね〜!!」
さっきから1人でしゃべりまくているアイリスを、レニは時々「うん」とか「ありがとう」などと言いながら微笑ましそうに見つめていた。