釘L小説2

□*殴りたい懐かしい君
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今日はさ、偉大なる俺の誕生日よ?
HAPPY BIRTHDAYー。なんて祝われるべき日よ?
平和に楽しく過ごす日よ?







「…なんであんたがいるのよ。」
「いいじゃない、ダメなの?」



午前0時過ぎ。
愛用のMacをカタカタと動かしていると突然背後に気配を感じた。
疲れてるから気のせいだと思ってまた画面に目をやったが…、

画面に反射して映った自分の後ろには懐かしい、見慣れた奴が
何やら不思議そうに画面を覗いていた。



あ、疲れが目にまでキたか。
と思って目をつむると

「いやいや疲れじゃねぇよ」
「…あ、やっぱり…」


聞き慣れた声が俺を笑った。




ソファーに座る俺と、ソファーの下に座る彼。
キョロキョロと辺りを見回してはふーん、と頷く。

あのさ、とさっきから落ち着きのない奴は口を開いた。

「んぁ?」
「もっと驚かねえ?普通」



そりゃあ確かに少しは驚いたけど
「あんた、俺じゃん」

邪魔そうな赤い髪の奥の瞳は俺を見て呆れながら目を細めた。

「まあ…そうはそうだけど」
「で、あんたは何しに来たのよ」
「いや、別に?なんとなく来たら誕生日だっただけ。今何年?」
「…っと、2011年。」
「へー、そ。」


自分から聞いといて全く興味なさそうにする奴が自分だとは思えなかった。

こんなに生意気だったのか?俺。
もしそうなら何故周りから殴られなかったか不思議なくらいだ。


 
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