灯p棄処分

□*テレパシー
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「竜ちゃん?」

僕の愛しい金髪くんが僕の名を呼ぶ。


「………。」
「…どうしたの?」
「……………。」
「……竜ちゃん?」


正くんは困ったような、怯えたような目で僕を見る。

僕は何も言わずに正くんの手を握りながら、目をじっと見つめていた。


「……りゅぅちゃん?」



とうとう困り顔になってしまった。


僕はフッと笑いかけて手を離す。

「やっぱだめかぁ。」
「ほえ?…何がだめなの?」
「ん?テレパシー?」
「テ、レパシー??」
「うん。」



出来るような気がしたんだけどなァ、と笑い 正くんの頭をぐしゃぐしゃと撫でる。

「テレパシー…かぁ…。」
「うん、でも何も感じなかったでしょ?」


正くんはコクリと頷き笑う。


「…ねぇ竜ちゃん?」
「なんですかー。」
「テレパシーで何言ってたの?」

「………秘密。」
「えぇ!!!」


テレパシーは口で言うもんじゃないよー、とか言ってその場を凌ぐ。



「竜ちゃん!!」
「っ!!?」


気が付けば正くんの両手が顔を挟み、無理矢理顔を向け合う形に。


「………。」








もしかしてテレパシー中?



「…ただ「静かに!!」


…怒られた…。







正くん…やっぱかわいいなあ。


すっごい真剣な目で見てるんだもん。


そんなに真剣に伝えたいなら話した方が…と思ったけど、

正くんがあまりにも真剣なもんだからついつい笑ってしまう。


「竜ちゃん!」
「ははっ、ごめんね 笑」
「もお…」


手をパッと離して怒ったような顔をする正くん。



「今なんて言ったの?」
「え…っと、…秘密!」


正くんは人差し指を口の前に当てて微笑む。




「……秘密?」
「…うん。」
「僕に秘密なんかしていいの?」
「…え?」


キョトン顔をした正に顔を斜めにしながら近付けていく。

「…んん!!!??」







っと唇を付ける寸前に止めて正くんを見ると、
目をギュッとつむった受け入れ姿勢を見せている。



「…んぅ…?」


片目だけをゆっくりと開き僕を見ると、
顔が近いからか目を見開き驚いている。



僕はニイッと笑うだけで押しも引きもしない。



「りゅぅちゃん…?」
「…何?」
「…えっと…」

 
 

顔を離そうとする正くんの頭に手を回して離れられないようにする。


「ッ!ねぇ!!竜ちゃん!!」
「ん?」



僕の胸を押してなんとか離れようとしてるけど、正くんの力じゃ僕に勝つなんて無理な話。


「…ぅぅ、竜ちゃぁん…」
「何?離す?引き寄せる?」
「…ばか…。」



頬が少し赤くなりだし、目をそらす正くん。

なんか僕が我慢出来なくなりそう。


「正くん?」
「…っ何…?」
「さっき何て言ったの?」
「……。」
「言わないとずぅっとこのままだよ?」

「やだ…。」
「キスしたい?」
「……ッぅん…。」
「なら言って?」

「………あ、のね……
笑わ、ないでね…?









 “だいすき”…って…。」





 
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