釘L小説

□*待ち補習
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グラウンドがカラカラとしていて暑い。

「50m計るぞー」



体育の先生の暑苦しい声に舌打ちをしながらグラウンドの中央に集まる。





50m…だりぃ。






あっつい日差しに抵抗するように太陽を睨む。





やべ、日焼け止め忘れた…。


今日は焼けるな。





そのまま視線を下げて行くと校舎があり、
丁度今いる真っ直ぐ先にはあいつの教室。





かなりの頻度で目が合うから外で体育したいんだろう。



あいつが体育の日は基本的に雨だしな。








あぁ、あいつのクラスは国語なのか。



あの先生見たことあるけど…

国語ってつい寝ちまうんだよなー。





あの先生の声とか聞いてるとあくびが止まんねぇし。



















「次、中山っ。」

「…っふあーい」





暑苦しい声が俺を呼ぶ。








だるそうに返事をしてスタートラインに立った。





























「…正ー?」




放課後、あいつの教室へ。


全然人がいなくってあいつがいないのは一目でわかった。





「長谷川?長谷川なら今日は残りじゃない?」



教室を見回していると、急に隣から声をかけられる。

「え…あ、はい」




少しびっくりして見ると、
スラッとした黒髪の先生が立っていた。



眼鏡をクイッとあげながらこちらに微笑みかける先生。


確か国語の…。





「えっと、笹渕先生…?」


「うん?…あぁ、いつも寝てるよね?君。」


クスクスと笑う先生。

なんだかとても幼く見えた。




「長谷川待つの?」
「あぁ、そうします…」


と言ってもすることもない。

とりあえず近くにあった椅子に座って、読みかけの雑誌を鞄から出して開く。




「あー、中山ー?」

何かのプリントを並べて、出席簿を見ている先生が呼ぶ。



「はい?」
「今回のテスト、どうだった?」
「いや、覚えてないッス。」


軽く答えてまた雑誌に視線を戻す。

いやいやいやー、と呆れたように笑う先生。



「そりゃだめだってー。」

プリントをパラパラめくりその内の一枚を取り出す。




「あー、本当だ。18点。」
「え、俺のテストですか?」

「うん、ほら」


ペラペラとテストをこちらに向ける先生。

赤い丸は…六つ?

 
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