灯p棄処分

□*ヤダ
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朝。



僕はあのまま寝てしまったみたい。






毛布まで掛けてあるけど泣きすぎて昨日の夜の事はあまり覚えていない。





あぁ、頭が痛い。



壁にある時計を見るともう11時。

お昼か…。



もしかしたら明君がいるかも、
なんて辺りを見回すけど、
そんなドラマのようにはならないみたい。






今までは声をあげるほどまで泣いていなかった。

そろそろ限界なのかもしれない。


「はぁ…」

また泣きそうだ。






そんな事を思っていると携帯が光ってる事に気がついた。


「…メール…かな…?







………えっ…!!!?」






携帯を開けてびっくりした。



画面には


着信53件、メール27件の文字。




しかも










「全部明君からだ…。」

その全てが明君からだった。





最初の方は

“家行ってもいいか?”とか“会いたい”とか“平気か?”とか…。


朝からメールが来ていた。





後の方になると

“どうした?”、“大丈夫か?”、
“なんでもいいから返事をしろ”、“今すぐ行くから”


ってメールになってて。

 






なんだかまた涙が溢れてきた。










震える指で明君に電話をしようとしたら、
それよりも先に明君からの着信がきた。


ゆっくりと通話ボタンを押す。



「…も、しもし…」

声が震える。



「……竜太朗?」
「…ッ…ぅん…。」

「今どこ?」
「……ッ家、にいる…。」

「…泣いてんのか?」
「っ……んッ…ぅぅ…。」



泣いてるかなんて聞かれたら、またたくさんの涙が流れた。

声が出ない。













「…そこで待ってろ。」


そう言うと電話は切れた。



「……ッあ…きらく…ぅ…」

携帯を握りしめて座り込む。


声を聞いたらまた泣いてしまった。



何度拭いても涙は止まらず、また息が出来ない。


「っはぁ…ぅ、ん…はぁ…」



目眩がする。

苦しい…。

うまく呼吸が、出来ない…。



「あ…き、ら……、ッ…く…、っぁ…。」


何も掴めない手で空を仰ぐ。

「…った…、すけ……、ッ」





も、無理…。

死んじゃう…。












苦しいながらも酸素を取り入れようとしていると、誰かが後ろから優しく抱きしめてきた。
 
 





















「…ッわりい……!」






それは僕の愛しい人の声。

 
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