灯p棄処分

□*媚薬
2ページ/6ページ





「竜太朗…っ…?」



見えもしないのに首を左右に振る明くんに、僕はニヤリと笑い携帯を向ける。





カシャッ――――。




そんな無機質な音が部屋に響いたのは、ほんの数刹那後だった。


「っ!!!?」


驚いたように音のした方向であるこちらを向く明くん。



またカシャ、カシャ、と何度も音を響かせれば、明くんは焦ったようにジタバタと動き始めた。


「竜太朗…!」

「明くん超エロいし綺麗だから、撮っておいてあげる」



ひたすらにシャッター音を鳴らし続ければ、彼は最初こそあんなに拒んでいたが、

今は諦めたようにただただ僕が辞めるのを待ちはじめた。



そう簡単に辞めるわけはないんだけどね。

明くんに近づいて顔とか撮ったり、あえて耳元でシャッター音を聞かせてみたり。


早く辞めて欲しいでしょう?





まだ辞めないよ?











携帯をパチンと閉じてその辺に放り投げると、
明くんの側まで静かに近づいた。



薄暗い部屋の中で明くんは軽く震えている。







イラついてるの?

辛いの?

泣きそうなの?

嫌なの?

怖いの?

…。










あ、わかった。


「もっとして欲しいのか。」




明くんはびくつきながら僕を見上げた。

 
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ