灯p棄処分
□*媚薬
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「竜太朗…っ…?」
見えもしないのに首を左右に振る明くんに、僕はニヤリと笑い携帯を向ける。
カシャッ――――。
そんな無機質な音が部屋に響いたのは、ほんの数刹那後だった。
「っ!!!?」
驚いたように音のした方向であるこちらを向く明くん。
またカシャ、カシャ、と何度も音を響かせれば、明くんは焦ったようにジタバタと動き始めた。
「竜太朗…!」
「明くん超エロいし綺麗だから、撮っておいてあげる」
ひたすらにシャッター音を鳴らし続ければ、彼は最初こそあんなに拒んでいたが、
今は諦めたようにただただ僕が辞めるのを待ちはじめた。
そう簡単に辞めるわけはないんだけどね。
明くんに近づいて顔とか撮ったり、あえて耳元でシャッター音を聞かせてみたり。
早く辞めて欲しいでしょう?
まだ辞めないよ?
携帯をパチンと閉じてその辺に放り投げると、
明くんの側まで静かに近づいた。
薄暗い部屋の中で明くんは軽く震えている。
イラついてるの?
辛いの?
泣きそうなの?
嫌なの?
怖いの?
…。
あ、わかった。
「もっとして欲しいのか。」
明くんはびくつきながら僕を見上げた。