∮廃棄処分
□＊殺ｼﾀｲﾎﾄﾞ愛ｼﾃﾙ
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「竜…ちゃん…、…っぅ…」
涙を流している彼。
泣いてる？
なんで？
「…泣かないで…？」
「竜ちゃん…どうしたの…？…このままじゃ…キライになっちゃう…」
「やだ…嫌いになんないで…」
「っ…じゃあ、止めて…俺だって、…竜ちゃんを嫌いになりたくない…」
ゆっくり腕を解放すると涙を拭う正くん。
赤く痕が残った白い手首を見ると、なんだか酷く悲しくなる。
僕は今どうしたらいいんだろう。
ワカラナイ。
「正…くん…」
ワカラナイ。
気が付けば頬に何かが通る感覚。
泣いてる？
僕が？
なんで？
「竜ちゃん…」
正くんの声で少し我に帰る。
でも涙が止まらない。
「正くん…わからないよ…」
「…竜ちゃん…」
「僕は…正くんが好きなのに…」
何故か動かない身体。
自分で拭えない涙がぼたぼたと流れる。
なんでかな。
悲しいのかな。
痛いのかな。
何処だろう。
ワカラナイ。
正くんがゆっくりと起き上がる。
上半身だけを起こして僕と向かい合うようにする彼が、顔を近づけてペろりと代わりに涙を拭う。
「っ…正…くん…っ…」
「…大丈夫…」
「僕…怖い…正くんが…いなくなる…」
「いなくならない…大丈夫…」
僕よりも少し小さな体でキュッと抱きしめられる。
どうしても彼しかいない。
「…正くん…もう、自分がやだよ…独り占めしたくなる…殺しちゃうかもしれない…」
正くんを殺せたら、色んな意味で楽になれるのにね。
独り占めできるのにね。
「竜ちゃん…」
彼の手が弱々しく頬に触れる。
優しい、穏やかな表情。
さっきより強くなったように見えるけど、やはり涙が止まってない。
「…殺していいよ…」
優しく笑う正くん。
「もし俺が、…竜ちゃんから離れる日がきたら…その時は…
殺して、独り占めしてね…」
「やだ…正くんを…殺したくない…」
「大丈夫…絶対殺させないからね…」
正くんがまた抱きしめてくれる。
せっかく拭ってもらったのに、涙がまた溢れてくる。
「正くん…っ…ごめんね…」
ただ、
ちょっと不安だったんだ。
正くんが離れる日が来てしまうんじゃないかって、
それだけが怖かった。
だから正くんを必死で繋いでた。
「好きだよ…竜ちゃん…」
今は
その台詞が聞けて満足。
「…ッぁ…竜ちゃん…んン…」
目の前には淫らな姿の正くん。
彼のこの姿を知っているのは僕だけ。
そんな安心感。
「っあぁ…!ンッ、…りゅちゃ…、も…むり…ぃッ!」
「…っ可愛い…一緒にイこうね…」
「やンッ…!はや…い…!ふあ…ぁ…やだ…、イッちゃう…!!」
「僕も…イク…っん…」
「い…ぁ…あぁっ!」
白い液体が彼の腹を汚す。
疲れた体を正くんの上に投げる。
うっすら目を開けた正くんに軽くキスして、クスクスと笑う彼を抱きしめてそのまま眠った。
僕に君を殺させないでね。