東京喰種 Colos Lie

□番外編:
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休日、ハイセさんに呼ばれた



何かしてしまったのだろうか・・・・・

ややビクビクと緊張気味にハイセさんのドアをノックする

不発だったのか、中から返事がない

き、聞こえていなかったのかな・・・?もう一度叩いたほうがいいかな?


もう一度ドアを叩こうと思い、拳を固めたところで、部屋の奥から本が崩れるような轟音とバタバタとこちらに走ってくる足音をするかと思えば、あと少しでぶつかりそうになる勢いで目の前のドアが開く



前のめりになったハイセさんと向き合った



「おはよう・・・!」


ハイセさんは昨日、資料を調べたまま寝てしまったのか、帰ってきたままの服装だったのか、よれてしまったYシャツ

それにいつものふわふわの髪には、飛び跳ねているようなすごい寝癖がついていて、思わず笑みがこぼれる


「おはようございます」

「麗愛ちゃん、急に呼び出しちゃってごめんね!しかも、僕まだ準備できていないんだ・・・」

『さっき起きたばっかりで・・・本当にごめんね』っとハイセさんは申し訳なさそうに眉を下げる

「いえ、私はちょうど休日で暇でしたから気にしないでください」


私も早く来すぎてしまったわけだし、謝れるのも忍びない


「みんなの朝食などは私が作り置きしておきますから、シャワーとか着替えとかしてきてください」

「ありがとう!助かるよ」


ハイセさんはネクタイの結び目に指を引っ掛けてゆるめながら、何度目になるかわからない謝罪をして、バスルームへと向かう

私はそれを見送って、台所へと立つ準備として、エプロンを身に付けて、早速朝食の準備を行った


それにしても・・・・・

なんで、ハイセさんに呼び出されたんだろう?


すっかり聞き忘れてしまった問は、今は聞けそうになかった

目玉焼きを作ろうと卵を割って、フライパンへと落とす

パチパチと油がフライパンの上で踊っているのを眺めながら考えに耽った


あの感じからして怒られるとかではないみたいだし、任務に就いてなら勤務中でもいいはず・・・

本の感想についてとかだったりするかな?

私も語り合いたいことがあるから嬉しいけど、呼び出すほどのことかと思ってこの考えも消える


「んー・・・」

「うわぁ、美味しそうだね。でも、そろそろ取らないと焦げちゃうよ?」


ヒトの食事なのに、そう褒めちぎり、やけに嬉しそうな声が後ろからかけられた

私の鎖骨のあたりに顎を乗せて、ハイセさんがのぞきこむ

彼のシャンプーの匂いが香りと、急にぽたりと濡れた彼の髪が私の首を濡らしたため飛び跳ねた


「あ、はいっ!」


慌てて目玉焼きを救出してお皿に乗せる

その間もハイセさんはぴったりと私の背中にくっついて

料理中は危ないからやめてほしいけど、口よりも卵を救済する手を動かさなくてはならなかった


「後は昨日の残りのスープとか、トーストとかは各自でやってもらおう?」

「わかりましたけど、髪をちゃんと乾かさないとダメじゃないですか!」


新しいバスタオルの入っている棚からふわふわのバスタオルを取り出し、それを彼の頭にかける

先ほどの寝癖はきれいにとれていて、代わりにぺったんこになっていて随分印象が変わる

私よりも背の高い彼の髪を乾かすのは大変だと気づいてくれたのか、彼は前に少し前に屈んでくれたけど、目線が近いため、わざと前にタオルが来るようにして拭いてそれを阻止した

そのためか、何をふいてあげているのか分からず、わしゃわしゃと数回にわたりふいてあげると、なんだか捨て犬を拾った気分になる

私にやらせて、自分では何もせずに口元が嬉しそうに笑っているのが見えたから、『そろそろ自分でやってください』とタオルを手から離した


残念そうに唇を尖らせて、ハイセさんは再びドライヤーと向き合うためかバスルームへと消えていく



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