東京喰種 Colos Lie
□番外編:クインクス班(瓜江)
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9月12日 天候( ) 担当:瓜江
捜査対象(書類)
【活動内容】
経費で購入したもののレシートを佐々木一等に提出しようともっていったところ、部屋から佐々木一等ではなく上城二等が出て下さり、そちらに領収書を提出させていただきました。
対応の方もそちらで確認していただいたので、後で上城二等へのご確認をお願い致します。
【反省】
佐々木一等の部屋から上城二等が出て下さった時、取り乱したため資料を置いてきてしまいました。お手数をおかけしますがそちらにもう一度伺いますので、ご都合のよろしい日を教えてください。
【特記事項】
上城二等は衣服の乱れが多々ありました。勤務に差支えのある指導は控えたほうがよろしいかと思います。
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レシートの山を束ねていたクリップをぶら下げながら、家内というのにも関わらず黒の手袋を外さずにその手で瓜江は琲世の部屋のドアをノックした
しばらくして、パタパタと部屋の中から足音がした
琲世の足音のわりには軽く軽やかで跳ねる音に違和感を覚え、瓜江はスンと鼻を鳴らした時だった
香水ではないが、独特の香りが瓜江の鼻をかすめる
ノックの先に待ち構えていたのは、その匂いの主だった
「・・・おはよぉ、ウリエくん」
「(・・・・・・・・・・・)おはようございます」
ひょっこりとドアから顔を出して、瓜江の顔を伺うようにして麗愛は首を傾げた
まだ眠そうなその表情は、現状をしっかりと把握していないらしかった
「どうしたの?こんな朝早くに」
「実は佐々木一等へ領収書の件でお話がありまして(なんでこいつが佐々木一等の部屋に・・・?)」
「あぁ、なるほど・・・いま、ハイセさんいないから、私でよければやっちゃうけど?」
麗愛は納得がいったのか、ドアを大きく広げ瓜江を招き入れる
既に手馴れている様子で、麗愛は瓜江をハイセの部屋の中へと招く
『ありがとうございます』と礼を言って、瓜江はぴたりとドアの敷居一歩の場所で止まる
「どうしたの?」
肩幅が大きく、裾の長い黒いYシャツはどう見ても男物であり、そこから伸びる白い四肢がやけに目立つ
歯ぎしりしているばかりの瓜江の歯が僅かに離れていく
「また日を改めます」
「えー!私だってやればできるもん!」
信頼されてないと思ったのか、麗愛はむきになり、瓜江の腕を引き止めた
「いえ、しかし・・・(こっちは気を使ってるんだぞ・・・)」
「はいはい、座った座った!」
背を押されるようにして座らされてソファーに、瓜江は冷静に周りを確認する
瓜江が琲世の部屋にくることは珍しくはなかったが、今思えば不審なことに気づくべきだった
琲世の部屋の棚の上に女性物の小物がおいてあったり、あのイヤリングなんかは麗愛がよく使用していたイヤリングだったなど、今改めて見ると色々目についてしまう箇所がある
自分の観察眼が鈍いことに、瓜江は歯ぎしりをする
そして、瓜江はもっとも気にする点へと眼球だけを動かす
「ねぇ、この“備品”って何?」
視界を遮り、瓜江の前に麗愛が、品書きの部分に“備品”としか書かれていない領収書をぺらりとだす
「テレピンなどです」
油絵の下書きなどに使われるものであるため、麗愛は首を傾げた
「それってどうしても必要?」
「(俺にとって)必要経費です」
ニッコリと笑って麗愛は瓜江にその領収書を手渡した
「はい、自腹でよろしく」
『使うときは窓とか開けるんだよ』と麗愛は他の領収書に目をうつしながら告げれば、瓜江は舌打ちをしそうになったが、今はそれよりもと琲世のものと思われるベッドへと目を向ける
がさつにめくられているその布団で何かを読み取ることは不可能だった
しかし、琲世の部屋から出てきた麗愛
琲世のYシャツをきた麗愛
琲世の部屋なのに、置かれている麗愛の所持品
そして
「えぇっと、ハンコ、ハンコー・・・・あぁ、あったあった!!」
この手馴れている様子引き出しの中を物色している様子に、瓜江は『勝手にいいのだろうか』と不安そうに見つめた
宅配便の荷物を家族が受け取とるなどの軽い感覚で、瓜江は気が気ではなかった
そんな思いとは裏腹に、麗愛は『佐々木』の判子を片手にキョロキョロと書類を見回しながらも、判子を書類に押す
「はい、これでもう平気だよ。じゃあ、この領収書はもらっていくから」
手を振りながら、目がさえてきたのか、麗愛はてきぱきと動きながら、瓜江に手を振って部屋の中から見送るのだった
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【コメント】
佐々木一等にご指導を受けた後だったので、そこまで気を回すのを忘れてしまいました。衣服の乱れは今後気をつけます。上城
領収書の件はその日に確認しました。(麗愛ちゃんありがとう)忘れた資料は今度、直接僕が渡しますので、伺う必要はありません。
あくまでもプライベートなことなどで、僕からも麗愛ちゃんに注意はしますが、瓜江くんも極力は朝の部屋への訪問は控えて、ミーティングの時に話などは伺いますので、その時にお願いします。佐々木
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2015*09*12