わたしの創作牧場
□ここがはじまり
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「こんなところで何してるんだ?」
後ろを振り返ると大男が立っていた。男の巨大さに俺は少しビビってしまっていた。だが拓哉は男に見覚えがあるらしく、気軽に声をかけた。
「武蔵さん」
「お、なんだ拓哉じゃないか。久しぶりだな。来てたのか?」
二人だけで盛り上がっているため完全に取り残された感じの司はただひたすら、二人の会話が終わるのを待っていた。
「中に入りたいって? じゃあ俺まだここにいるから、特別にあけてやるよ」
「おい、司。中に入れてもらえるってよ」
突然話を振られて驚いたが、中に入れるということがすごくうれしかった。
「ほら、鍵だ。帰るとき声かけてくれよ」
武蔵という男はそういいながら違う部屋へと入っていった。残された二人はお互いの顔を見合わせながらにんまりと微笑み、もらった鍵で扉を開けた。