わたしの創作牧場

□俺だけのもの
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「高遠さんって鎖骨のところにほくろがあるんだね」
誰もいなくなった教室で日直の仕事をやっていたら、向かいの席に座る、同じく日直である武内くんに突然そう言われた。
「う、うん。変かな」
どう答えたらいいかわからず、どもってしまった。
そんな私に武内くんは
「そんなことないよ。かわいらしい」
「そ、そう?」
武内くんの言葉に、なんだか恥ずかしくなってしまった。鎖骨のところを見られたという恥ずかしさよりも彼の言葉のほうに恥ずかしくなった。
武内くんは同じクラスで隣の席とは言え、これまでまともに話したことはない。それなのにこんなことを言われたから驚いたし、照れてしまったし、日誌を書きながら必死に顔の赤みを見られないようにした。
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