わたしの創作牧場

□ここがはじまり
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先ほどまでの喧騒が嘘のように静まり返っている。
はじめてライブハウスに来た俺はいまだ興奮が覚めずにいるというのに。

「どうした司?」
「えっ」

俺をライブハウスにつれてきてくれた親友の拓哉が俺の顔を覗きながら言った。
「ひょっとして疲れたのか。初のライブに」
「いや、違うんだ。ただまだ興奮が覚めてなくて」
「だよな。俺もだ」

ライブの後、俺たちは拓哉の知り合いのグループの打ち上げに参加して、再びライブハウスに戻ってきたのだ。

「やっぱりダメか」
「開かないのか?」
「ああ、鍵がかかってやがる」

俺たちがため息をついてがっくりしていると、後ろから声をかけられた。
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