おそ松さん
□素直になりたい
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「はー、幸せだなぁ…」
「本当〜、良いよねぇ」
「こんな日は良いよね!マッスルマッスル〜!」
「………」
部屋の中でのんびりと過ごしているおそ松とチョロ松を除く4人の弟達、真ん中にはカラ松がいて他の皆は周りを囲う様にソファーに座っている、一松だけは静かに隅っこに座ってるが…。
「フッ、こうしてお前達といるだけでも幸せだぜ、俺の可愛い天使達」
前髪を弄りながら痛い発言をするカラ松にトド松は小さく黄色い悲鳴を上げた。
「キャ〜ッ、カラ松兄さんたら相変わらず痛いよねぇ!でもそこも大好き♥」
トド松がカラ松に軽く頬にチュッとキスをするとおそ松が負けじとな様子でトド松を睨む。
「あっ!ズルい〜!トド松〜!俺もする!」
今度はおそ松がカラ松に頬にキスをすると十四松がハッと驚いた反応をする。
「兄さん達ばっかりズルい!僕もチューってするもん!」
続けて十四松もカラ松にキスをする、普通ならば兄弟同士でキスをすれば嫌がるはずがカラ松は一切嫌がる様子は無く、寧ろ嬉しそうな笑顔で笑っていた。
「あっ、ははは、俺は嬉しいなぁ、こんな可愛いエンジェルブラザー達がいるからなぁ、なぁ……、ん?」
ほのぼのとしてる所、カラ松がふと一松の方を見ると体育座りで寂しそうな様子で皆を見ている。
「どうした〜、一松?そんな所にいないでこっちに来たらどうだ?」
「そうだよ一松兄さん!せっかくカラ松兄さんの側にいるんだから!」
「全く一松兄さんは素直じゃ無いんだから〜」
三人で一松に対して言いたい事を言うと一松は目を反らして背を背けてしまった。
「まぁ落ち着けお前達、一松のタイミングもあるんだ、ソッとしてやれ」
落ち着いた態度でカラ松は三人になだめる。
「ちぇ〜…、あ、そうだ、おそ松兄さん、十四松兄さん」
「「何(だ)?トド松?」」
「あのね…」
トド松が二人に何やら耳打ちで話をしていると二人は頷いて何か納得をしたようだ。
「カラ松兄さん、ちょっと三人で買い物したいんだけど良いかな?」
「おぉそうか、別に構わないが、何故三人で行くんだ?」
「まあな〜、ちょっくら買いたいものがあるんだ、なぁ十四松?」
「うん!とっても大事な物何だ!」
それぞれが意見を言い合うとカラ松は小さく頷いた。
「そうか、分かったぜ、じゃあ気をつけて行くんだぞ」
「「「はーい、行ってきま〜す」」」
三人が二人に言って玄関の近くへ行くとひそひそ話を始めた。
「なぁトド松、何もこんな事しなくても良いんじゃないか?」
「何言ってるのさおそ松兄さん!一松兄さんって何考えてるか分からないし黙ってばかりで何の発展も無いでしょ?」
「ま、まぁ確かにな…、好きなのは確かだけど、けど俺達が居なくても平気かぁ?」
「おそ松兄さん、まずは二人きりにさせてあげる事が大事だよ、僕達ついついカラ松兄さんの所に居ちゃうから一松兄さんも落ち着くないんだと思うの」
思い付いた様に二人に話すがおそ松は納得いかない様でしかめた顔をする。
「トッティいつもカラ松兄さんの側に寄ってはチューするからね〜!」
「そうそう、一番の構ってちゃんはトド松だからな!」
「え、えへへ…、でも最近になって分かったの、だから一松兄さんにも素直なって欲しいんだ」
「ふーん…分かったよ、じゃあ協力する代わりに金貸し「それは別!」
強くツッコんだトド松は靴に履き替えて早々と玄関の扉を開けようとすると二人も慌てて靴に履き替える。
「ちぇ、つれないの!」
「フーンだ!」
「ねぇねぇ!せっかくだから帰る前に二人におみやげ買ってあげようよ!」
「あっ!そうだね!僕前に良いもの見つけたからそれ買おっか!」
不満そうなおそ松をトド松は尻目に末松の二人は仲良さげに手を繋いで走って行った。
「はぁ…、良いよなあいつらは…、帰ったらカラ松に構い倒してやる!」
子供みたいに嫉妬をしたおそ松がそう叫ぶと二人の後を追うように走って行く。
「……それにしても、3人で出掛けるなんて珍しいな、一松」
「………」
3人が出掛けてからしばらく経つが一松は相変わらず隅っこで座ってカラ松から離れている。
「…なぁ一松、せっかく二人しかいないんだ、もっと側にいても良いんだぞ?」