おそ松さん
□カラ松ハーレム
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「ただいまー、はー…今日も良い所が見つからないなぁ…」
バイト探し雑誌を読みながらチョロ松が帰ってきた。
「誰もいないのかな?…ん?この部屋やけに騒がしいな…」
玄関からすぐ近くの部屋の方で何人かの話し声が聞こえてきて、チョロ松は障子の前に立つ。
「皆いるのかな?ただい…!?」
チョロ松は目を疑った、真ん中にはカラ松が座っていて、その横にはおそ松達が楽しそうに寄り添っている。
「はははっ、今日も元気が良いな〜ブラザー」
「ねぇねぇ〜、今夜僕と一緒に寝てよ〜、カラ松お兄さま〜♥」
「え〜!トッティおととい一緒に寝たじゃん!今夜はボクが良いの!ねーカラ松おにいたま♪」
「…俺と、寝てほしいな…、兄君……////」
「何だよ何だよお前ら!!ここは兄貴優先にしろよ!なぁカラ松〜、お兄ちゃんの言うこと、聞いてくれる?」
「あははは、全く困ったブラザー達だな〜」
「………………何コレ?」
それぞれ違う兄の名で呼んで良く分からないハーレムになってる所を見るとチョロ松は呆然としている。
(いや嫌々!!どうなってんだよあの兄弟!?何あのハーレムっぽい雰囲気!!シスプリの妹達みたいな呼び名で呼ぶなよ!!
てゆーか一松とトド松はいつもカラ松の隣じゃん!!)
「ちょっとあんたら!!!何考えてんだよ!!?」
思わずチョロ松は勢い余って部屋に入ると皆はチョロ松に注目する。
「何って、カラ松ハーレムだけど?」
「いや普通に言うなよ!!あんたら兄弟って言う事を忘れてない!?」
「え〜?んー、カラ松おにいたまカッコいいから特に考えてないかも☆」
「そうそう、て言うかチョロ松兄さん僕達の関係知らなかったの?」
「いや初耳だし!、つーかお前もおにいたまって呼ぶな!!」
「もー煩いなシコ松菜は!良いじゃん何か萌えゲーみたいな感じで」
「シコ松菜って何!?ゲームなら良いけど身内でそんな関係知りたく無いよ!」
「キャーこわぁいカラ松〜」
わざとらしく怖がる演技をするおそ松の姿をカラ松はよしよしと頭を撫でる。
「大丈夫だ俺の可愛いサキュバス、あれは害の無いポルターガイストだ…」
「言ってる意味わかんねぇよ!!何だよサキュバスって!!僕のツッコミはラップ音じゃねぇ!!」
カッコ付けるカラ松に対してチョロ松は息を切らしながらツッコミをいれる。
「うるさい、シコ松ガイスト」
「何それ?!どんな罵りかた!?てゆーか何で一松はカラ松の事が好きなの?」
「うっ…そ、それは…////」
チョロ松の質問に対し一松は言葉を詰まらせてしまう。
「そういや俺も聞いた事無いな〜」
「ボクも気になるな〜、一松兄さんの恋ばな♪」
「この際だからハッキリ言っちゃおうよっ♪」
3人も気になったのか一松に囃し立て、カラ松は困った様子で皆をなだめる。
「よせよせ、一松も困ってるだろ?皆で責めちゃ駄目だ、なぁ一松?」
「……良いよ、カラ松兄さん、話してあげる」
決死を着いたのか一松は皆に見えるように席を変え、深呼吸をする。
「…カラ松兄さんは優しくて、誰に対しても分け隔ても無く接してくれる、こんな性格の俺でもね
時々兄さんは俺と一緒に猫達のいる場所へ行って餌やりもしてくれるし、怪我した奴も助けてくれる、そんな兄さんを見ていると…俺……////」
下を向いて恥ずかしそうに言い終えると皆は意外な話に感心している。
「へ〜、甘酸っぱい話だなぁ」
「全っ然知らなかったよ!」
「一松……お前、そんな風に思ってくれたのか?」
「…変、かな…?」
「いいや!寧ろ嬉しいぞ!!一松!」
歓喜な声を上げたと同時にカラ松は一松に抱き締める。
「なっ!?////、ば、バカ!皆の前なんだけどっ……!/////」
先程まで内気な態度が恥ずかしさでつい気を荒くした一松はポカポカとカラ松の胸を叩く。
「何だよ〜、兄を差し置いてイチャイチャしちゃって!」
「おそ松兄さんだってイチャついたじゃん!」
「いや、あれが普通なんだけど…」
チョロ松が冷静にツッコミを入れた後一松は無理矢理カラ松から引っ剥がした。
「っ〜!!!/////言うんじゃ無かった!!俺出掛けてくる!!」
不機嫌そうにわざと足音を大きく歩いて行くとカラ松が一松に呼び掛ける。
「待て!一松!!」
「っ……💢」
「……ありがとう、愛してるよ」
恥ずかし気も無くカラ松が愛の言葉を言うと一松はピタッと止まって顔がリンゴのように赤くなっていく。
「……バカ、知らないよ……/////」
静かに罵った一松は部屋から出ていった。
「アイツも分かりやすいな〜」
「う、うん……//はっ、か、カラ松!!お前あんな事恥ずかしく無いのかよ?」
「フッ、俺の兄弟達は皆可愛い恋人だからな、何も恥ずかしくない、もちろんお前も候補として入ってるぞ、チョロ松?」
口角を上げて格好付けたカラ松がチョロ松に口説くとチョロ松はほんのりと頬を赤らめる。
「えっ…//あ!いや!!僕絶対カラ松ハーレムには入らないからな!」
「あれ〜、チョロ松兄さんもしかしてツンデレ?」
「本当は兄さんも入りたいんじゃないの!」
末っ子の二人に言われたチョロ松はムキになって入りたく無いっ!とキッパリ言って障子の前に立つ。
「絶対人前にはあんたらの関係性言うなよ!!引かれるから!!」
「はは、そう怒るなチョロ松、……いつでも待ってるからな」
真剣な表情でチョロ松に伝え、チョロ松は見向きもせずに出ていってしまうが、その顔は顔が真っ赤になり、胸がドキドキと鳴っている。
(もう何なんだよ!アイツの力!!////、僕は普通の男何だよ!女の子が好きなんだよ!!)
「もうこのモヤモヤした気持ちどうにかしてぇ〜〜!!!/////」
頭を抱えながら大声で叫ぶと家中に響き渡った。
終わり。