BL!

□アイアム魔王さま
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0.「P.S.今日も魔王さまは不機嫌です。」



山の奥。

うっそうとした森林が広がるその奥に、その学園はあった。

『栄林03学園』
全寮制の男子校である。

エスカレーター式のその学園は、大勢の大会社のお坊っちゃんを育成する目的で造られた。
偏差値も学費も高く、一般人にはとてもじゃないが、受け付けないものである。

そして何より、この学園にはひとつの世間と懸け離れたものがある。

それは――――同性愛。

お坊っちゃんたちは皆、小学生の頃からこの学園にいたため、思春期もずっと同性らとのみ接してきた。
そのためか、いつしか同性を恋愛対象として見るようになった。
生徒会や風紀委員も、やがて顔だけで選ばれるようになり―――――……
外からは完璧に見えるが、この学園は確実に腐敗しつつある。

そして魔王と呼ばれた人物は―――――この学園を革命しようと躍起するのだった。




朝、静かな寮の一室でベートーベンの「運命」が突如大音量で流れ出した。
とてつもなく、うるさい。

しかし、その部屋の前にいた生徒たちは文句を言うことなく、逆に全員青ざめてその部屋から素早く遠ざかった。

なぜならそれは―――魔王の目覚めの合図なのだから。










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