BL!
□アイアム魔王さま
3ページ/11ページ
♪〜
「うっ………む……」
依然と「運命」を流し続ける時計に、白い手が触れた。
♪〜
「……」
布団から顔を半分覗かせながら、彼は眉をひそめ、薄紫色の不思議な色の瞳でその時計を睨みつけた。
そして…
♪〜ドガシャンッッ
「うっせぇよ」
思いっ切り壁に投げつけられた時計は、無惨なガラクタの塊と化す。
「運命」はもう流れてこない。
むくり、と彼は高校一年生にしてはやや小柄な体を起こして、わしゃわしゃと長い黒髪を掻き毟った。
そして、長いため息をついて、
「また…今日が始まんのかよ……くそったれ」
顔をこれでもか、という程歪めた。
彼は魔王さま。
この栄林03学園の魔王さま。
「悪逆非道」という言葉は彼のためにあるようなもの。
彼の名は――――――――
祭葉 王夏(まつりは・おうか)
(そして彼は今日も不機嫌です。)