いち

□なくした翼
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都内のはずれにある小さな病院―。



そこは助かる見込みのない患者が大病院から送られてくる。







「名前?辛くないか?」



そしてオレの愛する人も……




「(大丈夫)」


声が出せなくなった名前は唇だけそう動かすと微笑んだ。



その笑顔がこの世のものじゃないぐらい美しくて、儚くて、恐ろしかった……





「名前……」



名前をこんな姿にしたヤツが憎らしい。


そして、そいつは…




―オレだ。」






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