いち
□日常
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いつもの昼下がり。
梁山泊の道場には秋雨さんと2人きり。
「好きです。」
「あぁ、私も名前が好きだよ」
秋雨さんの膝の間でもたれかかれながらゆったりとした時間を過ごす。
頭を撫でる秋雨さんの手が大きくて気持ちいい。
「ねぇ秋雨さん、わたしのどんな所が好き?」
「全部、だよ。」
優しく笑う秋雨さん…
だけど…
「それはダメなのー。もっと具体的に!」
、とさらに突っ込んでみる。
「具体的に…か。そうだね、まずその優しい性格、優しくいながら芯のある強いところ…それから、一緒にいて楽しく穏やかな気持ちになれるところ…」
ベタ褒めされて体が熱くなっていく。
「ありがとう!もういいから!」
これ以上褒められたら恥ずかしくて生きていけないだろう。
「おや、あと100個ぐらいなら余裕で言えるのに、いいのかね?」
「うん!」
ほっとため息をつく。
「…じゃあ、今度は名前に私の好きな所を言ってもらおうかな。」
「えっ?」
「あ、全部はなしだよ。具体的に、ね。」
「えーっと、うーんと、優しくて大人なところと……あと、あと…んー」
秋雨さんがプッと小さく吹き出した。
「ゆっくり考えてくれたまえ」
そう言って微笑むとまた髪を撫で始める。
「んーとー…」
2人のいつもの昼下がり。
あとがき
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