いち
□エイプリルフールの嘘
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今日は4月1日、エイプリルフールだ。
修行を終わした翔の元に嘘をつきに行く。
「ねぇ、翔。わたし告白されちゃった‥」
「へぇーそれは良かったな。」
あれ???
エイプリルフールだと気づいてるわけではなく、嫉妬するような気配も見せない。
わたし…愛されてるのかな?
「じゃあ、その人に会いに行ってくるから!!」
「おいちょっと「じゃあねっ!!」
無性にイライラして部屋を飛び出した。
「はぁ…なんか悲しくなっちゃうなー」
公園のベンチに座って大きくため息をつく。
「翔…」
ほんとにわたしのこと好きなの………?
「ねぇねぇ?何ため息着いちゃってんの?」
「はい?」
気づくと回りに数人の男が立っていた。
ベトベトに立てた髪に脱色した髪、顔中ピアスだらけで見た目からしてまともな人とは思えない。
「あの…」
「オレらと一緒あそぼーよ。いいとこ連れて行ってあげる☆暇でしょー!!
腕を強く捕まれて無理やり引き連れていこうとする。
……嫌だ!!怖いっ!!
「翔っ‥助けっ」
恐怖で目に涙がたまっていく。
「ねぇ、君たち何やっちゃってんの?」
「翔っ!!」
電柱の上に腕を組んだ翔が立っていた。
「名前、ちょっと目つぶっといて。」
言われるがままにギュッと目をつぶると温かな熱に包まれた。
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