いち
□逆らえない人
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俺には逆らえない女がいる。
「ボリス!宿題写させてー!!」
胸の前に手を合わせてお願いされる。
「貴様は教官殿の命令が守れないのか?」
俺が時間をかけてやった宿題を10分で写しやがって…
「堅いこと言わないのっっ!!」
そう言ってさっさと俺の宿題を写し始める。
「まったく…。だが、悪くはないな‥貴様がこうやって俺に会いに来るのも…」
「な、なに言ってんの!?変態っ!!」
「なっ…!?変態だと!!」
顔を背けた名前の耳が赤い。
「おい、こっちを向け」
「ちょっ、やめてよ!」
多少強引に振り向かせる。
顔も真っ赤に染まっていた。
「‥もぅ…なんであんなセリフさらっと言えるの……」
「好きだからに、決まっているだろう…」
「ほら…また…」
「愛している、、、」
そっと抱きしめると柔らかな香りに包まれた。
静かに体を預ける名前に愛しさが募る。
「宿題…写させて…」
「まだ写してなかったのか!?」
「だってさっき変なこと言うから!」
「…ほら、さっさと写せ。」
「わー!!ボリス大好き!!」
やはり貴様には逆らえないようだ…
あとがき
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