いち
□お花見デート
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満開の桜。
香る並木道。
秋雨さんと2人並んで歩いている。
「きれいな桜だね。」
「はい!!」
見上げればヒラヒラと舞う桜の花びら。
「名前は桜は好きかね?」
「すごく大好きです!」
しっかりと握られている手のひらに自然と力がこもった。
___桜に嫉妬してるなんて言えないな…。
まして、桜ばかりじゃなくもっと私を見て欲しい、だなんて。
秋雨は小さくため息をついた。
桜の下ではしゃぐ名前はまるで桜の精のようで、手を離せば本当にどこかへ飛んでいってしまいそうである。
「ねぇ秋雨さん、お団子食べない?」
「いいね、じゃあ私が買ってくるよ。」
「そこのベンチ、に座ってるね」
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