いち

□せんぱい
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「名前ちゃんじゃな〜い!!」


いきなり武田に声をかけられた。




「武田先輩…?な、なんでココ…に?」






「いやぁ、道で君を見つけたから足が勝手に〜って!!ココ、下着店!?」

店を見回した武田の顔がにやける。



「武田先輩…とりあえず出てってくれませんか?」



周りの買い物客の冷たい視線が痛い。






「あっ、これなんかハニーに似合うんじゃな〜い?」



「黙ってて下さい!!」



ぐいぐい名前に手を引かれながら名残惜しそうに出て行った。





「何なんですか!!もぅ!」


「いゃあ〜見かけたらつい…ね」


「つい下着店に入らないで下さい!!」




店の外で名前に怒られる武田。
付き合っているとは言っても、下着店にまで入られたら困る。



「もう絶対ぜったいぜーったい止めてくださいよ!!」



「わ、分かったじゃな〜い… 」



しょんぼりと下を向いて反省したかと思いきや…



「で?名前ちゃんは何を買ったんだ〜い?」


興味津々といった様子で袋の中を覗こうとする。



「な!?反省してるんですかーーー!「へーこんなのつけるんだー」



武田の手のひらには買ったばっかりの下着か握られている。




「!?いつのまにっ…」

名前にしか見えないように下着を振る。


「これ昨日、僕が好きっていった色じゃな〜…ってなんで泣いてんのさ」


名前の目からはポロポロと涙がこぼれていた。



「…ひど、い…せっかく先輩のために…ヒック買ったのに」




武田は少し驚いたがすぐに満面の笑みになると名前をお姫様だっこして走り出した。



「た、けだ先輩?」



「僕の家に行こうじゃな〜い!!」




「はい?」




いつものひょうきんさははなく真剣な顔をした武田がそこにはいた。



「あの…?」



「こんなかわいい恋人、ただ帰らせることなんてできないさ。」



「ばかっ!!」



その後真っ赤になった名前を道に迷って田舎まで抱っこしてきたとか。





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