おやすみ。

□第5話
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「久しぶりですね!」

城下町。
久しぶりに城の外に出た愛子は少なからず浮かれてる。

「政宗様、どこか行きたいところはおありですか?」

「いや・・・今日は愛子の行きたいところでいい。」

「じゃあ・・・小間物屋さんへ。」

「HA!任せろ。」

手をつないで通りを歩く。
幸せだとは思うが、愛子を見るヤローの目が気にいらねェ。

「あ、政宗様!!」

「なんだhoney。」

「この簪、綺麗だと思いません?」

「ああ、よく似合うよ。」

「じゃあこれと・・・・。」

久しぶりの城下で舞い上がっている愛子を待っている間に、いらぬものが目に入る。

「赤い鉢巻・・・・。」

「どうなさったのですか?」

「いや・・、なんでもねぇ。」

知らない振りをしようとした時だった。

「政宗殿―――!!!」

「shit!!」

「偶然でござるな、政宗殿。」

赤い鉢巻に赤い服。

「真田幸村。」

「ひさしぶりでござる。」

会いたくなかった。
ていうか、なんでこいつが伊達の城下に居るんだよ!!

「む?こちらの女子は?」

「あ〜・・・。」

「まぁ、元気のよいお方ですこと。」

「それがし、真田幸村と申す!」

「伊達政宗が妻、愛子でございます。」

「つ・・・?」

「つ・・・?」

「妻ぁぁぁァァっァア!!!!???」

真田の声が城下にこだました。

「だ、政宗殿に室がおられるとは・・。」

「お前も作れよ。」

「な、なにを破廉恥な!!」

「噂通り、可愛らしい方ですね。」

そこで可愛らしいとか言うな、愛子。

「とりあえず・・・茶屋でも入るか?」

仕方なく真田を連れて歩くことにした。
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