手紙。
□第四話
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次の日。
私は目を輝かせた。
リアル屯所!!!
「はぁうぁ〜Vvここがキッチンか〜。」
「きっちん?」
案内をしてくれる総司が、隣で不思議そうに声を出した。
「台所よ。キッチン=台所。」
「いこーる・・・?」
「もう、英語・・異国語よ、わかる? い!こ!く!ご!」
「わかってるよ。」
「ここで料理するの?」
「そう。使い方、わかる?」
「・・・・・・。」
「はぁ・・・千鶴ちゃんに教えてもらって。」
「了解☆」
私は屯所内を歩きまわった。(総司付き。
幹部にも劣らない部屋を一つもらった私は、さらに着物まで頂いた。
さすがにパジャマでは歩きまわれないわけで。
ましてや洋服なんてもの、この時代の人たちにとってはキテレツより他にない。
「それにしても、良かったの?部屋なんか貰って、おまけに着物まで。」
「うん。別に。余ってるし(嘘。 男物の袴だけど。」
「大丈夫。」
中庭に面した縁側に座りながら、私と総司は話をしている。
「私の家、道場でね。よく袴は履いたの。
おじいちゃんが、『女物の袴なんぞ、動きにくいだろう!』
なんて言って、袴は男物しか着たことないよ。」
「田中ちゃんがいた世界のこと、ちょっと話してよ。」
「え〜?駄目だよ。」
「いいでしょ。新選組の未来にかかわってるわけじゃないし。どうせ僕たちは、げーむの中なんでしょ。」
「そうか・・・じゃあ、ちょっとだけね。」
「はやく。」
子供みたいに私をせかす総司に、私は未来を話した。
「あたしがいた世界はね。異国文化がずいぶん根付いてて、着物もあんな台所も火の起こし方も全然違うの。」
「異国文化・・・。」
「皆、刀なんか持ってない。洋服を着て、ハンバーガー食べて、車がいっぱい走ってて。
だから、武士なんていないの。」
「ふぅん。」
傷ついちゃったかな?
「もう、やめよ。これ以上は「いいよ、話して。」・・・・。」
そりゃぁ、聞きたいよね。
だって、未来のこと知ってるなんて、私だったら質問攻めしちゃうもん。
私は一息ついてから、もう一度口を開いた。