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□3年ごしの思い
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「ねぇ、レン」
「何?」
そう言って、レンは飲みかけの紅茶を口に含む。
頭のおっきなリボンを揺らしてリンはレンに問い掛けた。
「近親相姦って何?」
ぶほっ
レンは盛大に吹き出した。
「なななななっ、なにをっいきなり!?」
「カイ兄がね、姉弟で好き合うのは近親相姦だって……だから、リンがレンを好きなのはそうなのかな?」
またアイツか……。
レンは心の内でため息を吐いた。
リンは毎回と言っていいほど誰かに何かを吹き込まれて、それがレンへと回ってくるのだ。
――まあ、慣れたけど。
だが今回はすごいのが来た。
説明するにもどうしたらいいのやら………。
「………えーと、好き合うというのもさ、家族愛みたいなもんと、恋愛感情的な意味のがあるじゃん?リンはどっちなわけ?」
どうせ家族愛なんだろうなー。
鈍いリンなら恋愛感情やらなんやらに気付かないだろうし……。俺、弟にしか見られてないし。
「えっ、わわわわわ、私はえっと……その」
あれ?
なんかリンの反応が違う。
みるみるうちに顔が赤く染まっていく。
「りっ、リンは……れれれ、恋愛感情的なものを……うー!!やっぱなし!!!!今のな……しっ!?…」
リンの言葉を遮るようにレンはその体を抱き締めた。
くそっ。カイト……お前もたまにはいいことするじゃないか……!!
「れっ、レン!?」
「もーリンさ、可愛いんだけど」
そう言ってレンはそっと唇を合わせた。
「俺はずっと前からリンのこと好きだよ?―――勿論恋愛感情的な意味で、ね」
もう離せない。
リンの心も体も離してやるもんか。
やっと気付いてくれたんだから。
「レン大好き。」
「俺も。好きすぎて困る」
今は、ただこの温もりをすぐそばに感じていたい。
「あらら。また二人して寝てるわ……」
「いいじゃん?仲良しさんなんだから。そっとしておいてあげようよ」
「かわいいです……でも、もうすぐ夕飯ですよ?」
「まあ、その時になったら起こしましょ。あ、そうだミク、二人になんかかけてあげて」
「はいはーい♪」
毛布を掛けながらミクはそっと二人に言った。
「もう、二人ともなんて幸せな顔で寝てんのかねー?」
そして二人は夕飯が終わる頃に起きた。
(えっなんで!?なんで皆起こしてくれかったの!?)
(((あっ忘れてた。)))
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後書き