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□取り替えっこ
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「ねえねえレン!」

自室──と言ってもリンと同室なのだが──で一人でいると、リビングにいたはずの双子の姉がドアからひょっこりと顔を出した。

俺は読んでいた小説から顔を上げ、ニコニコとこちらに笑いかけるリンを見た。

凄く、嫌な予感がする。

それは気のせいなんかじゃないはず。それはいつも、俺の片割れのリンが運んでくる。否。リンが原因を作るの方が正しい気もする。

けどスルーなんてしたら更に悪化する。
耐えられずに一回話を聞かなかった時は、大泣きされて泣き止ますのが大変だった。

まあ、それ以外にも理由はあるんだけど……。



「今度はなに?」

警戒しながらも返事を返す。俺、ほんとリンに弱いな。自覚はしているけど……。


「えっとね、リンがひまなのでーリンとレンの服を入れ替えっこして遊ぼうと思ったの!」


一瞬にして顔から血の気が失せるのがわかる。

こんなことならリンを一人にするんじゃなかった!まさかこんな暇潰しを考えるなんて思いもしない。ちょっと前の自分を叱りたい。
別に服を取り替えるのはいいです。よくある話だ。兄弟、姉妹の服を借りる。着てみる。


だが俺たちの場合はあくまで姉弟なのだ。
体格は勿論、性別が変われば異なる部分がたくさんあるものだ。


それをリンは考えているだろうか?

いや、考えているはずがない。
俺の片割れは天然というか、鈍感というか……。

気付いているのか、いないのか。それとも、わざとか?それは確実にないと言い切れるが。


「ダメかなぁ?レン嫌?」
「いや、ダメというか…。俺きっとリンの服着れないから」
「大丈夫!!レン細いからいけるよ!!」

いやいや、そんなことをしたら俺は変態のレッテルを貼られてしまう……!


バカイトと同列になるのだけは勘弁してほしい。切実に願う。

「では、問答無用で行こうかー!!」

「え?ちょっ、まっ!?」


言うが早いか、リンはいきなり服を脱ぎだした。当然下着が見えるワケで。いや、流石の俺も目を逸らしました。


ちらっと見えた黄色い水玉は不可抗力です。本当に。

「リン馬鹿だ。絶対に!!」
「もう、レンってばどうしたの?ほら、早く脱いでよ」
「はいはい……」

言葉だけ聞いてたら少々いかがしい気もするが、実際色気も何もあったもんじゃない。


仕方なしに俺は服を脱ぐ。そして、すぐにリンの方へと投げた。今回は見ないように頑張りました。

「わあ〜!!レンの匂いがするよ」
「そりゃ、俺の服だしな」

リンは俺の服を着て、ギュッとしながら言った。

俺の服はリンには大きいらしく、ズボンが少し見える程度でそのままワンピースで通りそうだ。

対する俺はというと……。リンのヘソ出し服は見るも無惨に成り果てていた。少しでも変な動きをしたら破れそうで怖い。

仄かに香るリンの匂いにドキドキする。リンに包まれている感じ。

ちょっと変態みたいな言い方だけど、実際そんな風に感じられるのだから仕方ない。

というか、ぶかぶかな服を着ているリンは可愛く見えた。


そんな彼女に悪戯をしたくなった。きついリンの服を脱いで床に置く。そして、まだはしゃいでいるリンをゆっくりとベッドに倒す。

「じゃあリン、そろそろ服返してね?」

「いいけど……。れ、レン、どいてくれない?」

「嫌。俺が脱がしてあげるよ」


満面の笑みでリンを見つめる。対するリンは何が起こるのか見当がついたのか、慌てて逃れようとする。

「大丈夫だよ!!ひっ、一人で脱げ……」


続きを紡ぐ前にその口を塞いだ。
気付いたら俺の服からはリンの匂いがしていた。

洗濯に回したくないな、なんて思いながら、尚も逃げようとする少女にもう一度キスをした。












***

レンが変態☆

それは気にしてはいけないことです。
気にしたら負けです。

突っ込みはおkです
心の中で存分に突っ込んでくださry

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