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□唇を合わせてみる
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ヤキモチをやくの続き






「ああああの、れれレン君」

「なあに?」

「ちちち近いよぉぉ!」

レン君の顔が私のすぐ近くにあって、右を向いても左を向いてもその視線から逃れられない。さらに、やはり逃げられないように両手は私の頭のすぐ横。心臓がバクバクいって死んじゃいそうだよ!


「………リンこれから何するかわかってないのか…?」

「へっ?えっ?」

「……ごめんなんでもない」


そう言ってレン君は自分の席へと向かい、自分のカバンと私のカバンを掴むと一言、「帰るぞ」と言って目も合わせずに教室を出てしまった。

私は慌てて追い掛けて、一応一緒に帰ったけども……。


「ぜ、全然話せなくて、空気が重かったよネル……」


と言うわけなので、朝一番に昨日の出来事をネルに話してみた。


「そりゃ鏡音も落ち込むだろうねぇ」

「なんで?」

「なんでって……」

アンタ鈍すぎ、と言われたけど私には全くもってわからない。恋愛経験なんてないし、全てが初めてだったりするのだ。


「鏡音はね、キスしようとしてたのよ」

「キ、ス?」

「魚じゃないわよ?」

「そ、それくらい……!」

 って、へっ?レン君が私に…ききききキスを!?
そう考えると一気にほっぺたが熱くなっちゃって、そんな私を見たネルは、はー、とため息。

「じゃじゃじゃあ、もしかして、もしかしなくても悪いことしちゃった…?」

「そうね」

「はう……」

どうしよう。
泣きそうな顔でネルに訴える。このままだと、もしかしたらレン君に愛想つかされちゃう…?
そしたらネルはそんな私を見兼ねてか、アドバイスをくれたのだ。










「れっ、レン君!」

「リン……?」

わたしたち以外に誰もいない教室で、私は珍しく声を上げる。

今日は日が悪いことに委員会があって、先に行ってもいいと行っていたのだけどレン君は待っていると言ってくれていた。

だからこうして夕焼けに染まった部屋に二人きり。まるで昨日みたいだなって思う。


「あ、のね。私、今まで恋なんてしたことなくって、れ、レン君とが全部初めてなの……!」

何かに縋っていないと倒れそうで、私はレン君の制服をぎゅっと掴んだ。

「だ、だからねっ…ききききキスとかもよくわからなくて、恥ずかしくって…」

「…リン、それ反則だから」

何故だろう、手で口元を押さえながらボソっと何か呟いたみたいだけど、私には聞こえなかった。

「レ、ン君?」

「わかってた、つもりなんだけどっ」
我慢出来なくて。
そう言って悲しそうに笑うレン君は見たことがなかった。

「……私ね、」

ネルが言っていた言葉を思い出す。
『素直な自分の気持ちをちゃんと伝えなさい!ついでにキスして、ってね』

私に言えるかな?ううん、言わなきゃいけないんだ。こんな顔をさせてしまったのは私なんだから。
「私、こんな臆病で、……だけどね、キ……ス嫌じゃなかった…。恥ずかしかったけど、レン君になら…っ!」


気付くと、レン君の胸の中にいた。とくんとくん、と心臓の鼓動が聞こえる。

「…じゃ、今してもイイ?」

「ええぇぇ!?」

耳元で囁かれた言葉に、それだけでかぁっと熱くなる。
私の返事を待ってるみたいで、静かに時間だけが過ぎていく。


「え、えと……ししししてくださいっ!」

「…っ」

今の私は絶対に真っ赤だ!レン君の胸にぎゅっと顔を押しつける。あれ、なんかさっきよりもレン君の心臓早くなっているみたい。

「キスだけで止められる気がしない……」

「へ……っ」


そして、唇は重なった。











***
まだ続きました〜
ちょっとスランプ気味…
なんかもう一つ書けそうですねぇ

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