ぶん。
□キリリク
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リンとは幼なじみで、この間から付き合い始めたばかりだ。
周りからはやっとかよ、なんて言われたり。告白なんて大層なものもせず、いつの間にか付き合うという形におさまっていた。
元々リンのことが好きだったし、リンも俺のことが好きだとなんとなく感じていたけれどやはり付き合うとなるとなんともむず痒いものがある。
だが、付き合っているといっても今までとの違いなんてないようなもんだ。
どれだけ一緒に帰ろうとしても先に友達と帰ってしまうし、休みの日も然り。
中学生だし、男女の付き合い方なんてまだわからないから、何もせずにいるけどやっぱり、こう手を繋いだりだとか、楽しくデートだとか、き、キスとかもしたり…。
「リン!」
「なあに?レン」
「きょ、今日さ一緒に帰らないか」
「あ、ごめん。ネルと帰るから」
いつものように言われカッときた俺は乱暴にリンの腕を掴んでいた。
今は誰もいないことが幸いした。いたらこんな話なんて出来やしない。
「俺たちって、付き合ってるんだよな?」
しばしの沈黙。
リンは呆気に取られたような顔をしていた。
「なんでそんなこと言おうと思ったの?」
「そんなの…」
言えるはずがない。だって恥ずかしいじゃないか。女々しすぎると笑われてしまったら、立ち直れる気がしない。
けど、このままだと何も変わらないから。ここは一歩踏み出さなければ。現状維持では駄目なのだ。
「どうしたの?」
「だから、その……やっぱり一緒に帰ったりだとかしたいわけで……」
自分で自分が情けない。
ヘタレなどと散々リンから言われたりしていたが、なるほど、確かに当たっている。
顔が赤くなるのを気にしながらリンを見ていたが、急に吹き出した。
「レンってば、遅すぎ!」
「なっ、何が?」
彼女の言葉に疑問符を並べる。一体何が遅いと?
「リンはレンから誘ってくれるのをずっと待ってたのに」
「えっ、だったら最初からそう言ってくれればいいじゃんか!」
「だって恥ずかしいじゃない!!もう、男子って本当に乙女心がわかってないんだから」
そう言うリンの頬も少し赤くなっていて……。
なんだ、こんなことならもっと早くに言えばよかったのだ。なんて後悔を一つ。
「でもさっきのレン、ちょっと……ちょっとだけかっこよかった」
そう言う彼女が、とても愛しく感じられることが素直に嬉しかった。
「よし、これから一緒に帰ろうな」
「うん」
「で、デートにも!」
「はいはい」
好きという気持ちが、より高まったような気もする。
これからは乙女心をもっと理解しなくては……。
***
レンリン学パロ小説ということで、勝手に妄想してこんな形になってしまいました。
これレンリンなんですかね
まあ自分自身乙女心がわかっていないので←
とにかくキリリクありがとうございました!