ストラムメッセンジャー
□スラップスティックコメディ
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とかいったものの、隣でまじまじと見られると何故か緊張する。
平常心! 平常心だ俺! 俺の隣にいるのはジャガイモだ!
呼吸を止めて、口も閉じる。
よし! 『青』、『井』……
「…ぷっ、細いミミズ」
ジャガイモのいうことは無視だ。
『一』……
「…ぷっ、ハイフン」
『星』……できた。『青井一星』。
「…ふっ、あははははは! 青井ハイフン星、青井―☆……アドレスか! aoi-hosi@co.jpか!」
「アドレス仕立てにするんじゃねぇぇっ!」
バタバタと笑い転げる俺の姉、青井空代(アオイ ソラヨ)。
こいつだって十分めでたい名前のくせに、何かにつけて俺の名前をバカにしてくる。
名前のアホくさ感でいうなら、俺も空代も良い勝負だ。
「あーあ、おかし……やだなぁ一星くん、そんなに怒らないでよ」
「るせぇ。黙れジャガイモ」
「ねえ、ところでどうしてそんなの書いてるの?」
「………」
「高校で書道大会でもあるの?」
「別に。ただ部屋に飾ろうと思って」
「『天は自ら助くる者を助く』……座右の銘にでもすんの? 急に賢いこと覚えちゃって、まあまあ」
「これは……」