ゲームGAME★T

□ゲーム開始のハズが・・?
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「すいません、おじさん。」

涼牙はそう言って
お店のレジのおじさんに話しかけた。

「おお!
涼牙が来るなんて珍しいじゃないか!」

おじさんが言う。

「竜牙の馬鹿が
説明書を貰い忘れたそうなので・・。」

涼牙が無表情で言うと、
おじさんが変な顔をして言った。

「説明書なら・・・」

おじさんが言いかけたとき、
一生懸命に
アイコンタクトを送っている竜牙がいた。

そうとうバレたくないようだ。

「要らないって竜牙が言っていたぞ。」

おじさんが言うと
涼牙は竜牙を睨みつけ、
口パクで何かを伝えていいた。

(貰い忘れたんじゃなかったのかぁ〜)

竜牙はそうとらえた。

あながち間違っていないだろう。


「ゲームの天才らしいからな。」

おじさんは
「ハッハッハッハッハー」
と笑いながら続けた。

そのとき、竜牙の心は
『オレの人生終わったぁぁああああ!!!』
と叫んでいた。

「竜牙君、
貰い忘れたのかと思っていましたよ。
そうではないようですね」

笑顔で黒いオーラをだしながら丁寧語で言う涼牙。

「ハハ・ハ。そうだったみたい・・です。」

と言う竜牙は無視して、
涼牙はおじさんの方を向いた。

「すいません。
その説明書、貰いたいのですけど・・。」

涼牙が言い終えると、
おじさんは
「いいぞ!持っていけ、持っていけ!」
とレジの机の中から説明書を取り出してくれた。

「ありがとうございます。」

涼牙は無表情でお礼を言い、
お辞儀をすると、店から出ていった。

「おっちゃん、頼むぜ〜。
オレの寿命が
今日までだったらどうしてくれるんだよ。」

竜牙はレジのおじさんに言う。

「わりぃ、わりぃ。
にしても、
兄貴の方は相変わらず無愛想だなぁ。」

おじさんが言う。

「ハハ、
そんな事言ったら
おっちゃんの寿命も今日までになっちまうぜ。」

竜牙は、苦笑いをして言った。
「それは怖ぇえな」
と小声で言うおじさん。

「じゃあな、おっちゃん。
今度こそクリアしてから来るぜ。」

「お前等のことだから、
リタイアはしねぇだろうが、
ゲームオーバーも考えられるぜ。」

なんて言うおじさん。
どうやら、
ゲームの内容を知っているようだ。

「オレの辞書に
ゲームオーバーなんて言葉は無いぜ。」

と言って笑う竜牙。

「フッ、
お前はゲームオーバーの意味さえ
知らないのか。
さすがだな、りゅう。
俺と血が繋がっていながらも
その程度の知能とはな。」

ボソッとつぶやく涼牙。

「違げぇよ、兄様。
これはアレだよ、アレ。例え。」

と言う竜牙の声とその後の
「フーン」
と涼牙の竜牙をバカにするような声が
聞こえた。
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