リトルバスターズ

□第四話【バトルスタート】
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そして結局、このままで話が進まないので白目を剥いた真人に向けて、鈴は猫を突きつける。

「ふぎゃーっ!」

真人「うおぉ、いてぇぇー!?」

猫に引っ掛かれ、真人は正気を取り戻したようだ。

恭介「なあ、鈴。ちょっとこい」

鈴「ん?」

真人は猫に任せて、鈴は恭介に寄る。

恭介「一つ頼まれてくれないか」

鈴「なにを?」

恭介「もちろん、メンバー集めだ」

鈴「そんなのできない」

恭介「まあ、聞け。おまえこれを耳につけろ」

言って差し出すのは、手作りのイヤホンのようなもの。

それを鈴の耳に装着させる。

鈴「・・・・・・?」

続いて恭介は自分の携帯電話を取り出し、受話器を耳に当て、もしもし、と話し掛けた。

鈴「っ!?」

鈴が飛び退くぐらい驚く。

どうやら、耳のイヤホンから恭介の声が聞こえたようだ。

恭介「感度良好。早速任務を命ずる」

嵩「任務・・・・・・?」

と言っても、メンバー集めだろうから深くは追求しない。

恭介「ミッション・スタート!嵩と鈴を使って、女子生徒をリトルバスターズに勧誘せよ」

・・・・・・・ん?今名前を呼ばれたような気がした。

おそらく気のせいだろう。

理樹「どうして女子生徒なの?」

ほら、理樹だって気のせいだと思い話を続けている。

恭介「そりゃ、男ばっかじゃむさ苦しいからに決まってんだろ」

理樹「でも野球でしょ?」

恭介「いいじゃねーか。それに・・・・女が鈴一人だと寂しいだろ」

嵩「ま、確かにね・・・・・・」

それ以上僕らは何も言わなくなったところで、鈴は言われた通りに部屋を出ていこうとする。

女子寮に向かうつもりなのだろう。

が、ピタリと彼女の足は部屋の入り口で止まり振り返った。

鈴「嵩はこないのか?」

嵩「・・・・・・はい?」

質問の意味が分からずに、首を傾げる。

鈴が女子生徒を勧誘するはずなのに、なぜ僕まで行かなくてはならないのか。

恭介「ほら、行けよ」

ぽん、と恭介に背を押される。

嵩「待って待って!何で僕も行く必要あるの?鈴だけって話じゃなかったの?」

恭介「何言ってるんだ。俺は嵩と鈴を使ってと言ったはずだぜ」

謙吾「だな」

嵩「あれ?あれって幻聴じゃなかったの!?」

恭介「そんなわけないだろ。女子生徒に人気のあるお前を今ここで使わないでどうするんだよ」

嵩「そんなの初耳ですから!」

真人「いいから行ってこいよ」

ぐいぐいと真人に背を押されながら、僕は部屋の外にいる鈴の元に押し出される。

部屋の扉が閉まる。これではもう何もせずに部屋に戻って来ることはできないだろう。

嵩「はぁ・・・・・。仕方ない、行こうか鈴」

鈴「ん」

頷く鈴と、その頭に乗る『レオン』を引き連れて僕らは女子寮に向かった。







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