短い道
□とある姫の話2
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王様もそろそろ知り合いの道化もいなくなった頃、一人の道化が噂を聞き付けやって来ました。
道化は姫に一目惚れをしてしまいました。
ふと、道化は姫に言いました。
「失礼ですが、どなたか亡くされましたか?」
姫は驚きました。
確かに小さい頃、お気に入りのメイドが事故で死んでしまったのです。
道化は微笑み、言いました。
「姫?貴女は笑えます。そして、心から楽しいと思えます。」
姫の目は微かに涙目になっていました。
一呼吸いれ、道化は大声で言いました。
「さぁ、今宵ご覧にいれまするは、姫の大切な方に送る追悼の舞でございます!どうぞ皆さま方、存分にお楽しみください!!」
そのショウは、まるで魔法使いが杖を振るうようにきらびやかなものでした。
王様が姫をそっと見やると、涙を流し、嬉しそうに微笑んでいました。