■文 お題■
□午後8時の散歩
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夕食も終え、風呂にも入り…寝る前の一時を過ごす時間。
一日の疲れが軽く体に押し寄せ、誘われるままに一護はベッドに沈んだ。
目を伏せて静かに息を吸い、肺を空気で満たす。
ユックリと吐き出しながら目を開けると、部屋の窓から月が見える。
…そうか、今日は満月か。
「ぅおーい、一護」
確かルキアは今日は戻らない、って言ってたな。
ソウルソサエティに行っているのだろう…
アイツの霊圧を感じない。
他の死神達が現世に来ている話も聞かない。
「聞いてるのかー?一護」
それなら…
ベッドサイドにある代行証に手をのばす。
「俺様を無視すんなよ!………うぉあ!!」
それを喚き続けているコンに押し付け、飛び出た義魂丸をひと飲み。
「いきなりなにしやが…」
「留守番よろしく」
そのまま月が輝く夜へと体を投げ入れる。
「どうしたんだぁ、一護の奴」
既に答えてくれる人間は、周囲には居ない。